ヒモ夫の日常

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大学生と名画その10「駅馬車」(1939年)

駅馬車」(1939年

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まさに温故知新

こんにちは。白黒映画に少し戸惑ってしまった俺です。時代の流れも把握したいので、今回からタイトルに何年の映画なのか書きます。このブログ上げた後、過去の記事にも追記します。

いやあ、記念すべき十本目です。正直カンカンリストをみて、うげえ西部劇だってなりました。一本目である「赤い河」にてあんなに西部劇に嫌なイメージ持たなくなる作品だ!!とか言っていたのに、人間というものは。

 

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 そしてこれがその「赤い河」の記事です。ちゃっかり宣伝までして、人間というものは。

主演のジョン・ウェインは赤い河出てました!!なんか嬉しいなあ。

ジャンル:西部劇

監督:ジョン・フォード

主演:J・ウェイン/C・トレバー

コメント:駅馬車に乗り合わせた、6人のキャラを書き出そう。脚本のうまさ、演出の冴え、役者の個性、3つが織りなす交響曲に酔う。CGという技法は映画を滅ぼすかも...とふと思う。(カンカンリストより)

まあ字数もあるので、あれですが、あまり具体性のないコメントは言うと気持ち良いですが、書いてみると面白いですね。ですがそのとおりだと思います力のある映画でしたね、後6人のキャラも後述します。

映画史に燦然と輝く傑作西部劇!駅馬車でのアクション&人間模様を痛快に活写 

娼婦ダラスや飲んだくれの医者ブーンらを乗せた駅馬車が、アリゾナからニューメキシコへ向けて出発。その途上で、お尋ね者の脱獄囚リンゴオ・キッドも加わる。一行は様々な局面をくぐり抜けて不穏な道を進むが、ついにアパッチ族の総攻撃にさらされ...。

ジョン・フォード監督×ジョン・ウェイン主演による名作。アパッチ襲撃シーンのスピーディでダイナミックな凄まじさは言うに及ばず、人間模様の描写も見事!

アカデミー賞で7部門にノミネート

 みなさんが思っていること当てましょうか。「駅馬車ってなに?」これですね。

私も最初は何もわからず、なんか馬車の停留所みたいなとこの話かなって。ドキュメント72時間かなって思ってました。

深夜バスみたいなもんです。最初の画像に映ってるあれですね!あれで何日間かかけて移動する。その中での人間ドラマや、西部劇ならではのガンアクション。

そして特に面白いのは、登場人物が多いかつ描写が細かいこと。今でも普通のことですよね。1つのTVドラマでもいろんな人物がいて、皆キャラがたっており、「推しはこの人!!」なんて学校で会話するみたいな。あれが超やりやすい。今までの名画たちもそうですが、特にこの作品は人数も細かさもピカイチです。だから書き起こせと言ってるんだと思います。

このパーティ(チームって意味)モノというか、そういうのが80年前から行われていたなんてすごいですよね。当時も「推し萌~!」とか「推しが尊すぎて死ぬ」とか言ってたんでしょうか。

どんな映画?

さっきも書きましたが、分かりやすく言えば「ワンピースみたいな映画」かな。こんなこと言って殴られないかな。

ニューメキシコへの移動っていう目的を運転手含め10名くらいの仲間(怪しいが)と共闘し切り抜けるみたいな。

説明し忘れていますが、西部劇と言えばインディアンたちの襲撃です。それが西部劇の悪役です。2作品も見てますからこっちは。間違いないです。まあ、インディアンたちはアメリカ人に迫害されているわけですが。

アクション映画はもちろんホラー・パニックとか、サスペンス映画等いろんなとこでよく見られる系の構成です。自分史上一番古いこういう系統の作品だと思います。ちょっとノートにメモったキャラ7名を簡単に書いてみますね。

 

・飲んだくれ先生(医者)

めちゃめちゃ陽気。正直者でお酒が大好き。医者だけあって頭もいい。町の嫌われ者として追い出されたが、超いいやつな予感がしていた。結果一番良いやつで、最高だった

 

・リンゴオ・キッド(脱獄囚)

イケメン凄腕ガンマン。誰に対しても対等でジェントルに接する。THEカウボーイ。何やら因縁があり、物語にも大きく絡む。下のダラスと同じ境遇であり、二人は恋に。

 

・ダラス(娼婦)

天涯孤独の女性。若干自暴自棄な印象。知り合いを頼り仕事を探しに行く。気が強く、一匹狼タイプな女性。と思わせ、人間との交わりを求めている寂しい女の子。

 

・軍人(大尉)の嫁さん(貴婦人)

頑固で気高い奥さん。強い女性。インディアンたちの襲撃が危険なのに夫に会いに行くと言って聞かない。めちゃめちゃ頑固。理由は物語の途中で明かされる。

 

・用心棒っぽいおじさん(イケメン)

上の旦那の部下?と名乗る男。嫁さんの護衛として自ら馬車に乗り込む。めちゃくちゃ優しすぎて、なんだか怪しい。特に馬車での水を飲むシーンで「あれ?」って違和感が。予想は当たる。

 

ウイスキー売りのおやじ(おやじ)

仕事で来ているおやじ。とにかく気が弱い。喋りだしてもすぐ横槍が入り、喋れない。よくいるよね、いじられキャラというか弱々しいコメディキャラ。常識人で心優しいクリスチャン。

 

・偉そうな学者?(うるさい)

ウルッセエおやじだなあと思ってみていた。馬車内ではずっと政治や経済に対する文句をたれて雰囲気は最悪。超絶自己中。そしてこのキャラはホラー映画によくいるタイプ。危険だと分かったら自分を最優先にして考えて、暴走するやつ。そういうキャラはホラー映画では確実に最初に死ぬ。これもこんな昔から使われていた設定だった。

 

長くなってしまいました。この映画を見出した最初は少し退屈でしたが、キャラクターの魅力によりグッと惹きつけられました。一時間半くらいしかない短い映画のなかでできる最大限だと思います。

皆さんは、ストーリー、テーマ、キャラクター等、どの要素が映画を見る上で欠かせないものですか?

好きなところ

たくさん推しキャラも名シーンもあったので全部書きたいんですけどね。ここは手短に。

アル中医者のブーン先生のシーンが大好き。なんでもストレートに行ってしまったり、酔っ払って変なテンションになったりとひょうきん者全開のブーン先生ですが、彼は医師です。パーティの中で重要な役割です。絶対その技術が必要なシーンが来るはず。

それなのに気の弱いウイスキーおじさんの試飲用のサンプルをアホほど飲んで常にベッロベロです。そんな中、生死がかかった重要な局面がやってきます。みなで急いでブーン先生を呼びに行きますが、案の定へべれけです。ボロクソに言われます。これでもかというくらいの罵詈雑言の嵐。そこで先生は「コーヒーを入れろ。うんと濃いやつをな」とカッコつけます。そしてコーヒーを飲みながら男たちにお湯をぶっかけまくられて酔いを覚ますというシーン。

その後はちゃんとかっこよく切り抜けるんですけどね!いいキャラ。良い演出。良い脚本の交響曲ですよ。今思いつきましたこの言い回し。

まとめ

ストーリーもシンプルで、上記のような魅力あふれる登場人物たち。すっごい見やすい映画でした。そしてこの時代「川を渡る」ことの重大さがすごい。

超大型イベントのような、音楽とカメラワーク。迫力満点です。この重要な川渡りシーンの他にも触れたいのは、アパッチ族と呼ばれるインディアンたちが襲撃してきて、ハイスピード銃撃戦を繰り広げるところ。金かかってんなー。すごい迫力。シーン自体も長くふんだんに撮ってます。そしてその中にも伏線回収や登場人物たちの絡みがあるんですよね。すごい濃厚なアクションシーンでケツ汗をたっぷりかきました。

CG云々の話をすると長くなるので手短に済ませますが、実写映画っていかに現実で、非現実を提供するかってところに作品の巧拙が出ていたと思うのですが、そういう観点から言うと自ら映画の特色を減衰させているのかもしれませんね。アニメやゲームにケンカを売っているようなもんですから。

ラストも散らかることなく無駄なくまとまってます。広げた風呂敷しっかり回収。さすがです。サクッと見れるのに質の良い映画でした!!!!!最高!

 

 

今回からひっそりと前の回を載せようと思います。ぜひ

 

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