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【ざっくり解説・感想】SF大作『DUNE』レビュー ベネ・ゲセリットに注目しよう!

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『DUNE』を見てきました。

今回はIMAXのスクリーンをフルで活用した映画ということで、グランドシネマサンシャインで鑑賞しました。

 

これまでのIMAXに不満があるわけではないですが、いつもIMAXの予告ムービーがIMAXのピークで本編が始まると大きなスクリーンではありますが、余白ができてしまいます。グランドシネマサンシャインは壁一面のほぼ正方形スクリーンで迫力満点なんですけど、やっぱりワイド画面になっちゃって、いつかIMAXの予告ムービーみたいな映画を見たいと思っていました。

 

『DUNE』はフルスクリーンで楽しめる初?の映画であり、かなり圧倒されました。日本では池袋と大阪の映画館のみらしいのでぜひ足を運べる方はそちらの映画館で御覧ください。

 

 

 

でもどの映画館でみても面白い大作だと思います。しかし宣伝の仕方がちょっとずるいですよね。でも仕方ない。かなり力の入った作品で、どうしてもお客さんを入れなければならない。普段映画館にそこそこ行くよって人の母数だけではいろいろ採算が取れないんだろうと思います。

 

どうにか一般層を取り入れようとすると、俳優さんや映像のインパクトで押すほうが効果的なので「新体験」をイチオシにするしかなくて、『DUNE』の硬派なSFについていけない人が多数出ているという印象です。

しかも普段映画館にそこそこ、な人はややミーハーな予告にへそを曲げてみないこともあるでしょう。スター・ウォーズみたいなもんでしょ?という声も何度も聞きました。

 

なのでざっくりと内容を紹介して『DUNE』で不完全燃焼になった人のフォローをしつつ、へそ曲げてる方には素直な感想を。

 

 

 

 

『DUNE』

youtu.be

 

とはいえ私も原作を読んだわけでも、がっつり予習していったわけでもありませんでした。大島育宙さんの予想動画を見て

 

資源いっぱい取れる土地くれるっていうからもらったけど、実は罠で王家を破滅させられそうです!

 

程度の知識で臨みました。原作もSF読み慣れてる方なら楽しく読める、と聞いていたのである程度硬派なSFを観る覚悟でいったんですがすごく楽しかったです。

 

言葉の意味や設定が理解できないけど、なんとなくで見ていく必要はありました。英語の長文読解問題みたいな感じです。ちょっとよくわからない単語があるけど、大体で意味を予想して解いていく作業。

 

ボリューミーな原作をテンポを損なわずに映していくには説明をどんどん省いて気持ちのいい映像を作っていくしかありません。

 

なので不条理なところ、説明不足になってしまうところを脳内で補完しつつストーリーを把握していかなければいけないという、若干難易度高めなことを求められる一面もあるかと思います。

 

しかし『DUNE』が英語の問題よりも優しいのは、物語の質を損なわないように単語や世界の説明をさらっと後出しで行ってくれるところです。なんとなくこういう意味だろうなって予測していた部分を、後に教えてくれるので「もうわからないことばっかり!」って投げ出さずに見てればきちんと初見でも理解できると思います。

 

またアクションやド迫力な映像、音楽、フルスクリーンをつかった今までに体験したことのない映像などなど、ストーリー意外にもたくさん取っ掛かりはあるので、うまく利用するとより楽しめると思います。

 

説明が過ぎるとチープになってしまうため、ギリギリのラインを責めていると思います。これだけでも普段説明が多い作品に慣れているとギブアップしかねないので、複数回いったり解説を見てから行くといいかもしれません。

 

 

『DUNE』ざっくり解説

この世界は「貴族」が現実の一国と同じくらいの力をもっており、名家どうしで争いながらも夢の新物質である「スパイス」を中心とした経済を築いているようです。

 

この「スパイス」は単純な香辛料という意味ではなく、この世界の石油みたいなものです。全てに必要な物質みたいな感じでOK。

 

そしてその貴族たちを統べる宇宙帝国の「皇帝」が存在しております。

 

今回は主人公の家が皇帝から「DUNE」というスパイスがたくさん取れる惑星の権利をもらう所からスタートです。しかも主人公の家と何百年と争っているライバル家から皇帝が取り上げた星で主人公の家からすると大チャンスです。

 

そして砂の惑星に向かいますが、ついてみると灼熱の砂漠地帯で大きな怪物はいるわ、スパイスを取るための施設はボロボロだわ、どっからどうみても罠なわけです。

 

案の定、皇帝が意地悪したはずたったライバル家が攻めてきて主人公たちは大打撃を食らってしまいます。

 

これがざっくりとした『DUNE』のストーリーになります。結構単純明快ですよね。これに様々な設定が絡みつき、語句の説明や登場人物の経緯がぼやかされていくため複雑化しているように見えます。

 

あとスター・ウォーズのようなポップさが無いので、終始重厚で格式高いものをみせられているのでは?という印象が強くなってしまうのだと思います。

 

そしてこの物語の軸であり、私が興奮してたまらなかった連中であり、多くの人の頭にクエスチョンマークを浮かばせたであろう「ベネ・ゲセリット」の存在がカギです。

 

そういう惑星を通しての戦争やいざこざの裏でもっともこの物語を面白くしているのがこのベネ・ゲセリットと呼ばれる女性たちだと私は思います。

 

 

「ベネ・ゲセリット」

映画冒頭で、主人公が不思議な力を使います。声(ヴォイス)と言って発声を工夫するとその声に誰もが従ってしまう不思議な力です。「水を取れ」というと体が勝手に水を差し出してしまいます。

 

これは主人公が母親から教わったもので、「ベネ・ゲセリットの修行」を行うと身につけられる力のようです。スター・ウォーズでいうフォースのような力ですね。ベネ・ゲセリットは特殊な訓練をした女性のみがなることができる魔法使い的な存在です。

 

そして彼女たちはその不思議な力を、相手の思考を読んだり、占いなどに利用して1つの貴族につき複数人?、相談役のような形で仕事としているようです。調子が悪くなったり気分が上がらない時に行くかかりつけの占い師、沖縄風に言うとユタのような存在です。

 

主人公の母親もそのベネ・ゲセリットであり、王様である主人公の父親と夫婦になる選択はせずに、あくまでベネ・ゲセリットとして彼の家のお付きのものとなります。

 

女性にしか伝えられないはずのこの修業を秘密裏に受けていた主人公は、どんどん特別な力に目覚めていくというわけです。

 

文章にしてみるとすごく簡単に思えますが、これがまた色々複雑化しているように見えて難しいのかもしれません。最初はわからなくとも後に作中でも説明が入るのでそこまで辛抱しなければいけません。

 

でもこの不思議な力を持ったベネ・ゲセリットと呼ばれる女性たちのおかげでこの物語がすっごく面白くなっているのは確かです。

 

少年漫画でも主人公が実は特別な力を持っていて、それを覚醒させていく。その成長に興奮したり、胸を打たれたりするわけです。

 

またそれだけではなく、なぜ女性だけなのか、何故結婚しなかったのかなどなどベネ・ゲセリットたちの謎を考えていくと色々物語に繋がりが見えてきてまた楽しいんですよ。よく理解できなかった方は彼女たちに注目して鑑賞すると一段と深みが出てファンタジーのように楽しめるはずです。実際私がすごくワクワクしました。

 

感想

特に欠点もなくどれをとっても面白かった。

 

映像

まずは映像です。本物のIMAXを見れました。リサイズされることのないそのままの圧倒的な映像がここまで衝撃的だとは思わなかったです。

個人的ベストシーンは、トンボ型の戦闘機が砂漠に向かって羽を折りたたみ急降下するシーン。

そして後半の戦闘シーンで、大きな戦艦が墜落しカメラをそのまま落ちながら通過します。そしてその奥で肉弾戦が繰り広げられているのを映して、数秒後にカメラの奥で船が大爆発。

 

スクリーンが一気に爆風と爆炎に包まれていく。

地面に激突して爆発を描くのではなく、フレームアウトした先で戦艦が地に落ち大爆発するという凄まじい演出でした。ほんとうに自分の足元から爆炎があがったかのように錯覚し、すごすぎて手を叩いて笑ってしまいました。一生忘れません。

 

音楽

アラビアのロレンス』のような砂漠っぽい音楽。超壮大で、重々しくて最高でしたがそのクールさがよかったです。

 

映画音楽は様々な役割がありますが、本作では徹底的に物語の雰囲気を作るための音楽です。けっして主人公の幸せや危機を安易に表現することはない。

常に主人公や観客の感情と一定の距離感を保ちながら重々しく、神秘的に物語を構成しています。

 

まるで砂漠のような冷たさと、広大さと懐の深さを音楽から感じました。とにかく良かったです。

 

脚本

難しそうに見えつつも、ちゃんと説明もしてくれていてわかりやすくてよかったです。

主人公が目覚めて何かを獲得していく。そしてその先には喪失も待っているという王道なストーリーですがあの映像と、SF設定の鋭さ!60年前に書かれた小説って本当ですか?

ベネ・ゲセリットが本当に鍵になります。

アクション

シールドを用いた肉弾戦が多く、特徴的なモチーフとなる剣がまたかっこよかったですね。細かいメカを使った戦闘がすごくかっこよかったです。

サンドワームから逃げたり、トンボ型の戦闘機もかっこよかった。アクションとは違うかもしれないですが、ライバル家が落とした爆弾が船に着弾する前にバリアシールドの抵抗を受けて止まるのがかっこよかったです。

そして爆発するけど爆風もシールドに閉じ込められているみたいな。良い。

 

 

 

ぜひIMAXで。できれば池袋で

少なくとも映画館で観ることをおすすめします。

映画館にまた行きたい!って思うきっかけになるんじゃないかな~。

 

スマホいじりながらテレビで見るよりも映画館で見たからかこそ気付けることや楽しいこともありますよ!私はまじでスマホでエッチなサイトにすぐいってしまうので、長い映画は映画館じゃなきゃ見れません。