ヒモ夫の日常

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大学生と名画その73「リトル・ダンサー」(2000年)

リトル・ダンサー」(2000年)

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たまにはやるな、Netflix

こんにちは。今日は機種変更をしに行きました。まあ14時過ぎから店舗に向かったので、できるわけがねえんすよね。スタッフも客もだいぶ減らしてやってるみたいです。あと「データの移行はご自身でお願いします」って言われました。取り敢えず昨日、PCにバックアップは取ったんですが、なんせ今まではお店にデータ移行してもらってたのでちょっと不安ですよね。明日に予約とってきたんですがバックアップをこう、復元するのが上手く行かなかったらどうしようっていう不安がすごいです。というか今の御時世とはいえ、自分でバックアップを取れない人だってきっといますよね?そういう人に対してあまりに無慈悲過ぎませんか?マニュアルが変わったのか、コロナ禍での時短のためなのか知りませんが、私がもしPCを持っていなかったらなんてことを考えたら震えが止まりません。

こういうのありません?自分はラッキーで持ってたり、たまたまできたけど、これが出来てなかったらどうなっていたんだろう、って考えると背筋が凍るみたいなこと。もしこのラッキーがなかったら俺は・・・みたいになって金玉のあたりが「ヒュッ」ってなりますよね。

今日はそんな映画の「リトル・ダンサー」です。画像がダサすぎますが、Netflixに言ってください。

そんなことは置いといて、非常に面白い映画でした。これはひ孫に、「おじいちゃんが見た中で、繊細ながらも大胆なジャンプシーンなどを取り入れていたり、家族、音楽、仕事など身近で普遍的なテーマを描いた作品のオススメは無い?」と聞かれたら答える映画暫定1位です。面白い。今日はU-NEXTの優秀なあらすじが無いので不安です。Netflixもいい仕事しますね。

リストによると

ジャンル:意外な快作

監督:S・ダルリー

主演:J・ベル J・ウォルター

コメント: ボクシングで負け続きの男の子が、クラッシクバレエを始める。町中に笑われても、踊り続ける。映画のポスターは、バレエのポーズをとる少女たちの中に、男の子が一人・・・。という写真。

それに惹かれて見たが、期待以上の映画だった。

リストより

 だそうです。私もこのコメント見てめっちゃ探したんですよ。でもU-NEXTになかったんです。だったらアマプラにも、Netflixもあるはずねえなとおもっていたんですが、Netflixにありました!たしかにNetflixっぽい作品ではありますよね。

そしてこのあらすじですよ。だから何度も言ってますけども、ダンス、歌、楽器!これが題材なら下手しない限り面白いんです。だって上手になっていったり、それを通してたくさん成長するんですから。主人公もそうですが、周りもそうなるでしょう?セッションだけですよ。途中まで胸糞悪いのは。

しかも今回は、嫌なことをさせられている男の子が、バレエっていう、こう美しい表現に自分を落とし込んでいく感じがもうたまらんのですよ。つうに笑えるとこもあって。超面白かったっす。

ボクシング教室に通う少年が、ふとしたことからバレエのレッスンに飛び入り。女子に混じって練習するうちに、類まれな才能が開花していくが父親は猛反対・・・。

Netflixより 

 あーーーーー貧弱すぎる。書かんといけんなこれは。

どんな映画?

家族、友達、先生、そういうものと少年の生活を身近でリアルに描いた映画です。そこに仕事とか、バレエが関係してくるんですね。

少年が、バレエと出会って自分を開放していき、成長して、バレエも上手になって・・・っていう気持ちのいい要素ももちろんありつつ、やはり周りの人々の生活にも焦点を当てていく系の映画です。

なんですがこれまた面白い。ヨーロッパの映画って独特さがあっていいんですよね。特にイギリスとか北欧とか。これはイギリスの映画なんですが、こういういわゆる青春映画というかシンデレラストーリーというか雑草系みたいなものって国で特徴でやす位と思います。

例えばアメリカのこういう系の映画は、とにかく派手で、都合よくて、展開も早いですが、豪華ですし、音楽モノなら非常にクオリティも良くて、爽快感があってハッピーな雰囲気だし。

日本なら素朴で、抑圧的ですが、その分暖かかったり、キラキラしたり超コメディ要素があったりして、最後は感動するっていうパターン。

この映画はさすがヨーロッパ。現実主義の国ですよ。非常にリアリティがあって映像もわりかし冷たい雰囲気です。そしてジョークもいわゆるピリッと効いた感じ。静かな展開であることが多い。そして音楽を多用したり、いきなり抽象的なシーンを入れ込んだりちゃんとフィクション感というか、「非現実」という表記が正しいような演出したりするんですよね!ぽいなあと思いながら見ました。

で全然本題にふれていないのであらすじを少し。

主人公は11歳の少年、エリオット。舞台はイギリスの炭鉱の町です。フラガールです。

映画は彼が兄貴のレコードをかけて飛び跳ねて楽しそうにダンスをするシーンからはじまります。その時点で印象的な曲と歌詞、映像で引き込まれます。

そこからは彼の家庭環境が描写されます。

認知症で徘徊したり、昔の話ばっかりする祖母。荒れ気味の年の離れた兄、お決まりの顔も声も怖くて厳しい、ヒョードルみたいなお父さん。お母さんは亡くなったようです。男二人は忙しい様子で、エリオットはおばあちゃんの世話をしています。

そして学校に通い、父に入れられたボクシング教室にはいっている。でもボクシングの競技性にあまり向いていない。相手を殴ることそっちのけで、フットワークが楽しくなっちゃったりするんですよ。「変わり者」として大人たちにも思われている。

居残り練習することになって、ボクシングの隣でやってたバレエを見て身体が動いてしまうんですよね。それをこーっそり見ていた、たばこをふかした女性の先生がさりげな~くぶっきらぼうに練習に参加させます。そこでバレエと彼が出会い、お互いに惹かれて行きます。

一方、父親と兄貴は炭鉱で働いているんですが、給料かなんかの関係で労働者全体でストライキをしているんですよ。そこの中心人物がこの2人なわけです。だから怒りの塊なんですよね2人は。故にエリオットと少し距離が出来てしまっています。

そういう余裕の無さ、そしてこの町の男はみな体を鍛え、炭鉱夫になる。という型にはまっている。だけどエリオットはバレエがしたい、しかも才能があります。そのことから親子・兄弟関係の障害になってしまっているんですよね。

そんななかエリオットは苦悩しながらもこっそりバレエを続ける。大人たちはストライキを続ける。ある日先生が、バレエの学校のオーディションの話を持ちかけてきます。ロンドンにある名門校です。それを目指して才能を磨き続けるエリオット、しかしストライキの激しさはどんどん増していく。

あるクリスマスの夜に隠れて練習をしていたエリオットを親父が見つけます。始めて本気で踊っている息子を目にした父親に変化が現れる・・・。って感じです。

面白いですよ。まじで。これ読んでると、なんかベターな感じしますが、全然違います。さっきも言ったように、割と冷たくて、リアルなあのヨーロッパーな感じの雰囲気です。そんなかで独特なセリフ、音楽、リアリティがこの脚本のおもしろさを加速させます。そしてやっぱ家族ものなんでガン泣きしました。いい映画です。

好きなところ

そして無くてはならないキャラクターがいます。主人公の親友です。マラソン大会で2人ビリでズルするとこが初登場かな?そこから彼の個性が垣間見えます。そこもいいシーン。

彼もエリオットと同じで、ボクシングとかそういうタイプじゃありません。エリオットがバレエをしているのも唯一打ち明けていました。

家に遊びに行くと、ワンピース姿で化粧して出迎えてくれます。彼は同性愛者なんですよね。「親父も毎晩やってる」といい、姉のドレスを着たり、メイク道具を使ったりしている。エリオットとは方向性は違いますが、この町では”異質”な2人です。

この男の子がマジでいいんですよ。好きです。最近井手上ばく君もとっても可愛くなってますよね。この子も映画を見れば見るほど可愛いんです。そこらへんの女の子より可愛くなっていきます、エリオットがバレエが上手になっていくのと比例して。

好きなシーンはクリスマスの夜に2人で雪だるまを作ってるとこです。そこで彼はエリオットにすごく遠回しで超かわいい、告白をします。でもエリオットはそういう性質じゃないので、それをはっきりと伝えて体育館に誘う。それでバレエを教えて、踊ってみせるんです。そこに父親も居合わせるって感じです。

この一連のシークエンスがとても好きですね。カミングアウトをしたあとの、「誰にもいないで」もかわいいし、それに対するエリオットの対応も神です。あの2人神です。

長くなっちゃったのでやめようとも思いましたが、もう一つだけ。

これはシーンでは無いんですが、お父さんと、兄貴と、エリオットの関係です。これもいいんですよ。すれ違っていた三人が、クリスマスの夜をきっかけに繋がりを再認識し、新たな関係を構築していく美しさがたまりません。

エリオットの未来を思う、兄と父のセリフがとてもいいですね。兄貴の「寂しい!!」も良かったです。これは見てください。ガチでいいので。

追記:エリオットがレンガに囲まれて踊るシーンがあるんですが、わりと強引なモンタージュがされています。ああいうジャンプが特徴でもありますよね。わかりあえないもどかしさから家の敷地内で踊り狂うエリオット。あれは精神世界ととらえてもいいと思います。いきなりそういった抽象的なシークエンスを創るところもならではだと思います。

まとめ

あんまり知らない映画だったので、マークしてなかったんですが超良かったですね。フラガールとか天使にラブソングを、とかとはまた違ったあの独特さがあって面白かったですね。

後もう一つ気づいたんですが、やっぱり腐男子だと思います俺は。だってあの主人公と友達の恋愛とも言えないあの関係にキュンキュンしちゃっていたので。

俺やっぱりBL行けるわ。