ヒモ夫の日常

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大学生と名画その65「反逆児」(1961年)

大学生と名画その65「反逆児」(1961年)

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ポケモンのインターネット大会のせいで興奮して見れなかった

こんにちは。ラスト15分に泣き崩れてしまいました。

この映画を見ている最中にポケモンの大会情報が公開されたので、気が気でなく、浮ついた心で見ていたのですが、あるシーンで引き込まれて最後にはがん泣きをしてしまいました。これまでに何本か時代劇を見ましたが、またいいものがチョイスされており、リストの製作者、及びこの映画を作ってくださった方々に、誠に感謝申し上げたし。

リストによると

ジャンル:時代劇

監督:伊藤大輔

主演:中村錦之助 東千代之介

コメント: 全盛期の中村錦ちゃんが、戦国の風雲児・徳川信康を熱演。移動撮影が大好きな、イドウ大好け監督のカットに注目

リストより

 だそうです。若干洒落が含まれているゆえ、しばし殴り倒したくもなり申したが、このリストを作っている方なのでやめるでござる。

いやあ面白い。私は日本史のnの字も知らない不届き者なのだな、と改めて実感しました。この徳川信康って人実際いたんですよね??これ大河ならないんですか?地味ですか?

調べたらやってました!しかも「麒麟が来る!」とか「竜馬がゆく!」とかじゃなくて「徳川信康!」でしたね。お恥ずかしい。ですがますます大河ドラマ見たくなりましたね。日本のこういう歴史っていうか多少脚色はあれど、すっげえかっこいいし、面白いと思いましたね。これからセンター試験もなくなりますし、小中学生の歴史の時間は、大河ドラマや時代劇を見せるのが一番いいんじゃないですか?絶対最初こういうのから触れたほうが、興味持ちますって。俺も小学生並みの知識しか持ち合わせてないですが、おもしろそう!!もっと歴史やっときゃ良かった。って思いましたもん。でも高校の歴史の教科書とか結構つまんないし。だから大人って大河ドラマ好きなんだなーって納得ですよ。

徳川家康を父に持ち、今川家の血を継ぐ若者が血筋に翻弄される生涯を描いた時代劇

激動の戦国時代の中、家名を取るか家族を取るか苦悩し続ける姿、その末に訪れる非情な展開に引き込まれてしまう。悲劇の連鎖を演じきる中村錦之助の存在感が圧倒的。

織田信長陣営で名を上げた徳川家康の一子・三郎信康。信長の娘・徳姫を娶るも、今川義元後を継ぐ築山御前を母に持つ彼との仲には深い溝が存在していた。ある日、信康は花売の娘・しのと情を通じる。それを知った築山御前は、己の謀略のため一計を案じる

U-NEXTより

 という感じのあらすじでございます。「徳川信康」って文字を見た時、なんか混じってんなーって思いました?それもそのはず、徳川家康の息子であり、信長陣営でその娘と結婚する男だったんですよ。ハイブリットネームなんですね。キラキラネームの次に流行りそう。

しかもまたややこしいのが、東海のビックネームである今川家の血を継ぐババアと家康の息子なんですよ。そして今川といえば岡崎城岡崎城と言えば東海オンエアですよね。ユーチューブって歴史の勉強にもなります。

なんかそういういろんなしがらみがあるなか葛藤しつつも武士として、若殿として潔く生き抜く中村錦之助演じる、三郎信康の物語です。いやあ途中までポケモンしてたくせに最後だけ楽しみやがって、むかつきますね俺。

すごい国ですよ。ほんと。こんなおもしろいことがずーーーっと起き続けている国ですからね。やっぱ日本っておもしろいなーとおもいましたね。ぜひ主語の大きい人たちにこの面白さを問いたいです。

どんな映画?

いやー、面白い映画でしたね。というかラストでしたね。やっぱり時代劇は言葉が難しくて、言葉や人物を調べたりするんでどうしてもテンポが悪くなりがちだし、置いてけぼり感を抱いてしまうんですよ。それでもなんとなく言葉の端々や表情から読み取っていって見ていくしか無いんですよね。そんな逆境でもしっかり面白い時代劇でした。

ややこしいので軽く設定を書いておきます。間違っていたらすいませんが。

主人公の信康はまず武士として優れています。最初のシーンは合戦が描かれているんですが、その才能を十分に発揮して、敵を圧倒。人望もあり、可能性を秘めた若殿なんです。

しかし上記の通り複雑な血筋。上手く行かないことばかりなのです!

上手く行かないことその1!

・メンヘラお母さん!!

そうなんです。この築山御前はアレな母親なんですよ。もちろんその境遇は不遇で仕方ありませんが、いっつもなんか呪いの儀式してるんですよね。信康の子供ぜったい生まれんな、とかみんな死ね、とか毎日呪っている。でもやっぱり気持ちは分かるんですよね。お家は絶えてしまい、旦那は今川を滅ぼした織田の傘下へ、息子もその娘と政略結婚させられる。可哀想ですよね。気持ちは分かるんですがね。なので単純に言えば嫁姑問題の命がけバージョンということです。

その2

・めんどい嫁!好きで仕方ないんですよね。信康のこと。でも娘しか生まれなくてプレッシャーはすごいわ、お母ちゃんからいじめられるわでいろいろと参ってしまうんです。それに信康の浮気の噂まで流れてしまう。それでお父さんの信長にチクってしまうんですよね。しかもあいつ父様のこと殺りにくるらしいよ?ってあらぬ尾ひれまでつけてしまう。のちに和解する名シーンがあるんですが、時すでにお寿司です。お寿司。

その3

・気弱なお父さん!

なんか書いてて身内ばっかりで可哀想です。徳川家康は頭がキレる。合理主義です。後に天下統一もするしね。だから何よりも家名を守るんですよ。彼の気持ちもわかるがゆえになんともやるせない。ついに彼は嫁と子供の命をも、天秤にかけてしまいます。

ラスト!

・織田パパ!

織田パパは信康の才覚に気づいているんですよ。なんか天下統一する時にあいつが邪魔になりそうだなーって思ってるんです。野心があるのでは・・・。みたいなね。そこに娘からのチクリがきたので、これを機に芽を積んでおくか、というわけです。

 

こんな感じでいろいろあって不憫なんです。信康。。。

好きなところ

まずセリフ。

信康の「壁を感じる」っていう発言です。上で書いた上手く行かないことを自分でも感じていて、なんか障害を感じるっていう意味で言うんです。その時はまだ漠然としていてなんかわかんないんですけどね。ラストにも効きます。

あと織田信長の「不憫だが、、信康はちと俺に似すぎた、、」というセリフ。ありゃかっこいいです。でも信康を殺すことを命じてからのセリフなので心が痛かった。

好きなシーンは、信康と嫁の徳姫のわだかまりがなくなるシーン。全ておそすぎるとわかってはいるが、2人の家名にとらわれない愛に気づく超名シーンです。

でおそらくですが、あんなラブシーンは珍しいんじゃないでしょうか。あれはロミジュリリスペクトでしょう。お姫様抱っこをしてちゅっちゅしてました。そこのシーンからグッと引き込まれて見ましたね。

そしてラストの切腹のシーンです。あんなにかっこよくて悲しい切腹シーンは始めてみました。そんなに切腹シーンをみた母数は多くないですが。

号泣しましたね。孫に好きな切腹のシーン教えて!って言われたらまっさきにあげます。いいシーンでした。あの木に彫るシーンもいいです。

 

まとめ

運命に翻弄される信康をたっぷり味わえるいいシーンでした。ラスト間際の槍を振り回しながら、泣く信康に心打たれる人も多いと思います。自身で壊すことが出来なかった障壁を壊しながら、自分の運命を嘆くシーンです。

私現代の人の方が生きづらいんじゃないか、みたいなエッセイを書いたことがあるのですが、みんな辛いです。いつの時代も壁を感じて、それに押しつぶされないように強く生きるしか無いんです。

あれ?何この結び方。