ヒモ夫の日常

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大学生と名画その52「血槍富士」(1955年)

「血槍富士」(1955年)

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「ちやりふじ」と読みます。

こんにちは。卵かけご飯がご飯少なすぎてご飯浮かし卵になっていました。実家にはプロテインとかシェイカーとかも無いので飯でタンパク質を摂取するんですよ。きんにくばきばきのTwitterの人が、痩せたり体型を整えるには「下半身トレをして、食事を制限すれば最終的には効率いい」って言っていたので、ただでさえ以上に太い下半身をさらに強化すべく、日々バーベルを背負っています。お米は少量、生卵は2個と思い、料理してみるとマジで卵ジュースだったので泣く泣く米を追加しました。

今日はそんな映画の「血槍富士」です。時代劇。これまで4作品くらい見ました。これまで見た感じだと、何か大きな大義がありそれ軸に物語が形成されて、いろんな要素が含まれているパターンでした。戦いや旅を通して、武士がどんないきものなのか、とか身分の違いだったり、社会を描くって感じ。だから小さな子供から大人まで見てておもしろい!って思うみたいな。今作は少し変わってましたね。東海道を進んでいくお侍さんたちの話なんですが、すっごい穏やかでゆるいんですよ。日常系ですね。ある立場やグループの日常から色んなものを描いていく感じです。万引き家族とかけいおん!みたいな感じですよ。ここでかっこいい例えができないので、切腹します。

リストによると

ジャンル:時代劇

監督:内田吐夢

主演:片岡千恵蔵

コメント: 主人公の槍を肩に、のんびり行くはずの道中がラスト30分で急転!!吐夢=千恵蔵のとびきりヒューマンな時代劇。

 ってな感じです。槍持っていうなんか役柄みたいなのがあるらしいですね。主君の家に代々ある何やら伝説の武器的な、シンボル的なものを移動の際は持っていくんですよ。その役割みたいです。ほんとヒューマンでした。地味に七人の侍の次くらいに面白かったです。

素朴で豊かな庶民と武士の交流を通し、武士道の矛盾に開眼する男の生きざまを描く

宮本武蔵」シリーズの内田吐夢監督、戦後復帰第1作。江戸に向かう旅人たちの人情劇と武士の敵討ちの凄まじさ、その落差ある世界観が見事に1つの物語として抽出。

東海道を旅する若様・小十郎と槍持ちの権八、そのお供・源太。小十郎は道中で出会った志井の人々と言葉をかわし、彼らの多彩な人生に触れるうち、虚栄だらけの武士の世界に疑問を抱き始める。そんな折、小十郎と源太が飲み屋である事件に巻き込まれる。

 内田吐夢監督のことを知らないので恥じています。人情劇もなんかこってこてのALWAYS 感はないですね。敵討ちも割とぶっこんできた感じなんですが、この小十郎がいいんです。小十郎の言動のおかげで成立してるまでありますね。飲み屋の事件も、あらすじでは盛り上がる感じ出てますが、残り15分くらいですね。

どんな映画?

上でめっちゃ書いてしまいましたが、今まで私が見た中では異色な感じ。笑いもたくさんありますし、何より音楽がいいです。なんか時代劇っぽくないんですよね。クラシックっぽいなんか優雅な感じの音楽ばかり。それもこの映画の雰囲気を作ってると思いました。

七人の侍では、身分の違いや、そこから生まれる、やるせなさとか、理不尽さがありましたね。侍は侍で切なさがあって、農民も色んなものを抱えている。そういう身分からその心情、境遇に焦点を当てるような部分がありました。これも庶民たちと侍さんの絡みを描いているものですが、もっとアンチ侍というか批判というわけではないけれども、武士道とかこの侍至上主義の社会の歪をお侍の視点から見せていく感じ。さっぱりと笑顔混じりで小十郎が本質に触れていくんですね。そういうさりげない感じが逆に刺さる。台詞回しや小十郎役の島田照夫のナチュラルさがいいですね。

上の主要3人に加えて、子供がいるんですよ。天涯孤独のホームレス5,6歳児です。その子は槍持の主人公に懐き、憧れてお侍になることを目標に3人に付いていきます。ラストシーンのために連れてきたみたいなとこもありましたが、あの子も良かったです!!

好きなところ

小十郎様は酒癖が超絶悪いんですよ。なので家来たちはお酒を絶対に飲ませないように見張ってるんですが、家来・源太もお酒が大好き。結局二人ベロベロになってしまうんですよ。そこがたまらなく好きですね。「じゃあいっぱいだけ、えへへ」みたいなカットから次のシーンはベッロベロになってるんですよね。ベターで面白かったです。そこで庶民(鼻が特徴的でよく出てくるいいキャラ)にだる絡みした小十郎が「おめえの鼻気に入らねえから、切り取ってやるわ!!」みたいなこと言ったり。なんかお侍さんなのにフレンドリーで積極的に交流します。

でこの映画は2回酒を飲むシーンがあるんですが、一回目と二回目の違いが良いんですよ。「源太は源太、小十郎は小十郎。これが筋が通っているということじゃ。」ってとこですね。この2つの飲酒シーンどっちも大好きで、そのあいだの過程に色々あるからこそ際立ちます。

まとめ

結局は侍ってなんか馬鹿らしいと言うか、何なんだろうな?って小十郎は言っている。その後の大立ち回りのシーンも、主人公、槍持の権八がお立ちになるシーンもホームレス5,6歳児が叫ぶシーンも、それを見ながらも小十郎の「源太は源太・・・」が頭に残っているんですよね。残響です。ラストも音楽が良い。西部劇的な感じでこそ無いですが、これも良かったですね。邦画って感じの素朴感とメッセージ性みたいのがありました。メッセージ性って日本語で何ていうんですか?打ってて恥ずかしくなりました。