ヒモ夫の日常

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大学生と名画その33「七人の侍」(1954年)

七人の侍」(1954年)

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すごい

このところ少し忙しく満身創痍になりながら映画を見ている俺です。頭がふやけながら文字を打っています。今日の映画は「七人の侍」です。

先週に荒野の七人を見ました。わざと七人の侍を見る前にそっちを見たんですが、作戦大成功。超絶おもしろかったです。私、映画見たらすぐ泣くんですよ。ってか泣くようになっていたんですね。それがこの映画生活で、簡単には泣かない様になったんですが、何度涙したことか。冒頭からすごかったです。震えました。学生のうちに観てよかった。すごい映画です。

黒澤キッズたちの映画はたくさん見ましたが、本家黒澤ファーザーは初見です。すごい。とにかくすごい。

リストによると

ジャンル:時代劇

監督:黒澤明

主演:三船敏郎 志村喬 木村功

 コメント:観ていない奴は、死ね!世界一面白い映画。(カンカンリストより)

数々のコメントを観てきましたが、こんなのは初めてです。そして意見が完全に一致する、安倍トランプ状態になるのも初めて。ほんとうに、シンプルにおもしろい。すごいです。このブログは語彙力が以上に低下したものになると思います。なぜなら疲れているから。ボロボロです。まるで侍ですよ。私もね。首が切られようってのに、ヒゲの心配なんてしてられないので、書き続けますが。

野党と化した野武士を相手に、農民に雇われた侍たちが奮闘する時代劇 

黒澤明監督、三船敏郎主演による時代劇。雇われた侍たちによって村人が戦の心得を得ていくさま、泥臭くもリアルなアクション、身分による考え方の違いなど見どころ満載。

麦の借り入れが終わる頃、ある農村は野武士たちの襲撃に怯えていた。長老・儀作は、村を守るために侍を雇って、対抗することに決意する。やがて食い詰めた七人の浪人が集まり、怯える村人たちと騒動を起こしながらも、的に備えていくのだが・・・。

1954年ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞。1960年にハリウッドで「荒野の七人」としてリメイクされている。(U-NEXTより)

 といったストーリーです。これはあまりにも有名ですね。

私は先に荒野の七人を見たので、ストーリーは知っています。なので普通に初見で見るよりもだいぶアドがありましたね。見やすかった。そして2作品を比べることによって、どちらの評価もバク上がりです。ハリウッド版ではリスペクトの純度が伺えるし、七人の侍はほんとうにその何倍もの価値に値するような作品でなんだかすごく静かに興奮しました。

冒頭の音楽、村長、そしてお馬さん達圧倒的な力があります。撮り方がすごいです。好きなシーンでも記述しますが、侍が村に来たばかりの時の村長をアップで横移動しながら、ってか回り込むようになんか立体感のあるとり方をするんですが、なんかもうすごかったです。お馬さんの足もそうだし、大きな建物が燃えて崩れていく迫力もすごい。そして脚本もおもしろい。世界一面白い映画というのは決して大げさに言っているわけではないと私も思いました。

荒野の七人で出てきたセリフや展開が見え隠れして嬉しかったです。普通逆なんですが。海外での日本人のイメージとか、お侍が何故こんなに人気なのかも分かったし、日本の映画だけでなく漫画やアニメとうほぼすべてのエンターテイメントに影響している部分があるなと感じました。凄まじい。

そして長い。長過ぎる。でも面白すぎる。ここで終わってもいいほどです。

どんな映画?

始祖鳥ならぬ、始祖映画です。さっき言いましたが、日本のエンタメ界に遺伝子レベルでのこっているものだと思います。黒澤ジーンですよ。まじですごい。絶対井上雄彦先生もだし、もうとにかく始祖っ始祖です。そしてその始祖が超面白い。

3部構成に近いかな。侍集め→村での訓練→敵との戦

って感じです。そこにさまざまな要素が散りばめられており、どれも破滅的におもしろくて、共存していて、なんか書いていて恥ずかしくなってきたのでもう辞めますが、とにかく面白い映画です。スピルバーグはなんか作るときには「七人の侍」をみて初心に帰っているらしいですよ。こんな長いのに。

好きなところ

なんと言っても「菊千代」でしょう。この七人のなかで一番親しみやすく、感情移入もしやすく、かっこいい男です。その風貌、言動から他の侍たちからバカにされ、除け者にされるものの、ついてくるんですよ。荒野の七人にもいましたね。桜木花道です。本当にそうなんです。いつか井上雄彦先生に会うことができたら、桜木花道のモデルってデニス・ロッドマンじゃなくて、「菊千代」ですよね?そして多分ジョーイもですよね?って聞きます絶対そうです。

菊千代は喧嘩っ早くて力は強いが、侍ではないんですね。それでいて酒飲みだし、女好きだし、声もでかいし短気なんですよ。ですが面白くて、優しくて、強く(精神的に)、村人たちとも人気で、人情に厚くて、、、ってもう三船敏郎贔屓しすぎ!!ってか三船敏郎さんキャラもそうですが、演技も頭4千分飛び抜けてましたね。

かけば書くほど桜木だし、他の四人もどんどん七人の侍っぽく見えてきました。他の作品でも言えそうです。そんな非常に魅力的な人物がさらに映画のおもしろさを加速させました。

好きなシーン。

「菊千代」が百姓の出だという事が分かるシーンです。村人たちとの戦の訓練中、これまた仲良しになるおじいちゃんがいるんですね。そいつが落ち武者の道具を持っている。武器はあったほうが良いですから、仲間に褒めてもらおうと村中からかき集めて披露します。ですが侍たちは表情を曇らせる。てかキレる。彼らは侍なので、落ち武者の無念が自分のことのように分かるからです。

そこで菊千代は立ち上がり吠えます。百姓がただの弱いものだと思うな、百姓だってずる賢く、悪く、強くなくちゃ生きることができない。それがたまらなく惨めであることも十分に理解している。でも百姓をこうしたのは侍だ!!と涙ながらに叫びます。圧巻です。撮り方もゾクゾクする。煽り気味のカメラ位置からピンショです。そこでこいつはお百姓さんだったんだなってわかります。

結果的に彼が侍と百姓を繋ぐ役割をもこなしていました。ここの切なさと菊千代のかっこうよさ。マジで惚れました。

そして彼が仲間が死ぬたびに、ひどく傷つき自分を責めるところも好きです。とっても仲間思いなヤツです。

また、侍は腰に帯刀しますが、菊千代は普通よりもなーがいなーがい刀を鞘の先をつかみ肩に担いでいる。あの帯刀の仕方マジでかっこよすぎる。ってかBLEACHとかも絶対七人の侍影響受けてるやん。ってそんな事言いだしたらすべてに言えるので辞めますし。こんな誰もが知ってる名作をごちゃごちゃ言うのは恥ずかしいです。

あとは細かなセリフですね。戦はこうだ!とかきれいなお姉ちゃんいない?とか荒野の七人でも言われているセリフを見つけると喜びました。絶対違うんですけど。

まとめ

侍さんの像というか、なんかやっとつかめた気がします。侍っていうのがどんな生き物だったのかって。荒野の七人を見た時はガンマンたちのことを理解しましたしね!!あと割とお百姓さんが身近な私ですが、性質は昔と全然変わってないんだな。と思いましたね。映画で見たお百姓さんDNAは私達の祖父母にまで受け継がれてますよ。おもしろいです。こういう気づきもあって。

書ききれないのでほんとにピンポイントに好きなところだけかきました。絶対にまた見ます。すげえ面白かった。