ヒモ夫の日常

駄文、愚文

大学生と名画その32「地獄の黙示録」(1979年)

地獄の黙示録」(1979年)

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これは何度目かの再編集版を映画館で見た時の写真です

こんにちは。少しお疲れ気味の俺です。夏バテでしょうか。

今回の映画は「地獄の黙示録」です。これはこの映画100リストをもらった授業でも紹介されていた映画。ワーグナーを大爆音で流しながらベトナム占領地を爆撃していくさまは圧巻でした。それから半年ほどして再編集版が新宿で上映されると知りました。しかもアイマックスレーザーとかいうよくわからんけど、普通より料金が高くて半端じゃない音と映像を見れるやつらしく、そっこう見に行きました。

衝撃半端なかったです。ベトナムのジャングルに実際にいるような感覚でした。ずっとほっぺたに葉っぱが付いてる気がしてました。背中も汗が流れてました。すげえです。最近映画は映画館で!!って思いますが、今日もう一度流し見してやっぱ映画館でみてえなって思いましたね。すごいぞこの映画。

リストによると

ジャンル:問題作

監督:フランシス・フォード・コッポラ

主演:マーロン・ブランド マーティ・シーン

コメント: 「ゴッドファーザー」の「コッポラ」の超大作。話の筋はよくわからないが、物凄いシーンの連続(カンカンリストより)

 だそうです。そうなんですね。私も昔かっこつけてゴッドファーザーを見たんですが、またみたいですね。マーロン・ブランドがとっても好きになりました。超かっこいいですよね。

しかしこの作品では、マーロン・ブランドに手を焼いたようです。激太りして役柄に合わなくなっちゃったり、だからといってギャラはもらいますけど?みたいな。なんかのインタビュー記事で読んだ気がします。

そして物凄いシーン。先程の空爆のシーンもそうですね。そしてなぜ空爆してるのかっていうのもおもしろい。なんか不思議な映画ですよ。

ベトナム戦争の闇を壮大なスケールで描いた戦争映画の金字塔が40年の時を経て甦る

コッポラ監督自ら、1979年の劇場公開版より30分長く、2001年の特別完全版より20分短く再編集した最終版。本物のナパーム弾を使った戦闘シーンなど、CGなしの映像は圧巻だ。

1960年代末、ベトナム戦争が激化するなか、アメリカ陸軍のウィラード大尉は特殊任務を命じられる。その任務とはカンボジアの奥地で自らの王国を築くカーツ大佐の暗殺だった。哨戒艇でヌン川をさかのぼるウィラードは、そこで洗浄の狂気を目の当たりにする。(U-NEXTより) 

 てな感じ。これは私が劇場で見たファイナル・カット版のあらすじです。戦争映画です。アラビアのロレンスといい私はラブコメと戦争映画が好きみたいですね。でも決してどちらも武勇伝でもなければ、説教でもない。ドキュメンタリーチックな映画です。

というか上記2つがそうなんですが、やっぱり私は戦争っていうものが1人間に与える変化や影響に強く惹かれるんだと思います。ロレンスしかり、ウィラード、カーツその他兵士達の精神状態や言動がすごく強烈なんですよ。これが戦争っていうことなのか、って思いますね。なんかやっぱり実際の文献やドキュメントでは表せない領域というか、特殊さに惹かれるというか、心を掴まれる節が私にはありますね。人間のいろんな局面が垣間見える映画ですよ。

どんな映画?

これメッチャ良いのが思い浮かんでたんですよ。腹減りすぎて、カップ麺食べたらマジで忘れました。ので、3月の頭に見た時のメモから抜粋して、思い出したら書きます。

コメントには話の筋がよくわからないと合ったのですが、構成としては物凄くシンプルだと思います。私はファイナル・カット版とアマゾンプライムでの特別完全版を見比べたのですが、結構カットされているところがありますね。

そしてシーンごとにわけがわからない。せっかくカーツ大佐についに会うことができても自作のポエムを読み、「ホラー(字幕:地獄の恐怖だ)」としか言ってくれません。これまでに見てきたシーンやセリフ、培った知識から自分なりにいろいろ頭使って解釈をしなければなりません。かくいう私もコッポラがいいたいことを理解できているかなんてわかりませんし、考えるだけ無駄ですよね。これは庵野秀明さんにも言うことができそうです。おもしろければ、すごいシーンがアレば良いんですよ。

そういえば構成はシンプルといいましたね。全体としてみれば、ウィラードが川を登っていき、その途中で色んなものを目にし、変化していく。綺麗に作られている映画だと感じました。どのように変化したかは観る人次第だと思います。私は反戦とか、愚かだ、とか正気を失った!とかを通り越した状態になったと思います。このカーツ大佐というものの異常生をウィラード自身が体験し、私達に説明、そして同じような心になっていくという感じでしょうか。

なんにせよアホみたいに長いので、いつかまた映画館で上映する時が来たら見に行きます。DVDやスマホではオススメしません。絶対に入ってこないので。

好きなところ

たくさんあります。ワーグナーをかけて空爆するところ、ウィラードが偉い人のサーフボードを盗むところなど沢山ですが、2つ書きます。

この映画では欺瞞という言葉が出てきます。まあなんか騙すとか、嘘みたいな意味です。主にカーツが言ったり、手紙に書いたりするんですけど。それにウィラードがきづくっていうか、うんざりするシーンが好きです。

川を登っていると、ベトナム人達が食料等を運ぶ船とすれ違う。ウィラードは無視して進もうとするが、運転手が軍記に従い尋問、持ち検します。そこでみんなハイになっちゃう。ってかもうすでに狂気に侵されてて、もう気が気じゃないんですよ。薬物にも手を出しててトランス状態です。そこで船を調べているとその奥から何やら飛び出します。それに過敏に反応し銃を乱射。乗っていたベトナム人たちを蜂の巣にしてしまう。ウィラードは頭を抱えて座っている。そこで飛び出してきたものは子犬なんですよ。たったそれだけのために人を殺すんですよね。そしたら撃たれた女性に命があることを確認し、病院に運ぶとか言い出すんですね。自分で傷つけ自分で運び、命を助けた顔をする。これは冒頭でも見られます。そこでウィラードはその女性を射殺。「船を止めたからだ」と言い残す。

というシーン。なんかバカバカしさと、緊張感と入り混じった不思議なシーンで、役者さんたちの演技やこの演出にただただ惹かれます。

あとはファイナル・カットでは無かったシーン。途中で米軍の慰問のためにプレイボーイのバニーガール達が水上ステージでショーをするんですね。多分相撲みたいに巡業をしていると思います。そしてベトナム領の奥深く、土砂降りの中に中継基地っぽいとこを見つけて立ち寄ります。そこにはプレイボーイのうさちゃんマークのヘリが止まっている。どうやらそこが拠点orそこでショーをやっている途中に戦争が激化したんでしょう。もちろんそこに上階級の軍人はいません。その間ものんきに酒でも飲んでるはずです。そこでウィラードたちの船に積んである燃料と交換で、バニーガールたちとセックスができることになる。そこがまたいいですね。まじで頭がおかしい。超面白いのと同時に冷や汗が止まりません。これまたすごいシーンでした。

その他にも、事実を見せつけられた後に、フランスの残党兵士達(貴族?偉い人?忘れた)がが守る小さな土地で、政治的な話っていうか、今まで見ることが中心だったのが、そのシーンではフランス人たちの語りによってベトナム戦争を露出させていくシーンだったり、指揮官のいない最前線のポイントでただ戦い続ける研ぎ澄まされた兵士のとこととか、止まらないです。沼からウィラードが出てくるシーンも良い。

まとめ

何度でも見たい映画です。だっておもしろいんだもの。何がおもしろいってわけがわからないことです。私は戦争というものが遠すぎてわからないです。カーツ大佐のセリフやウィラードが感じ取ったもののすべてが。また年をとったら分かるようになるのでしょうか。それとも響くことなく冷めてしまうのか、よくわかんないですが時間があるときにもう一度見たい。せめてカーツとの対峙シーンだけでも良いので。まあそれだけで一時間くらいありますが(汗)まじでアニメ化かドラマ化して欲しい。ほんとに傑作だと思います。