ヒモ夫の日常

駄文、愚文

『さがす』『地球外少年少女(前編)』 感想

 

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今日は久しぶりに映画館に行きました。忙しくてなかなか行けなかったんですが、今日は2本見ることができました。

 

『さがす』は気になってはいたもののおっきめの映画館以外に行くのがちょっと億劫なこの頃迷っていましたが、いつも映画を観に行く友人が一緒だったので観に行くことができました。

 

感想を友人と話したので書くことないですが、これからはできるだけ多く残しておきたかったので。

 

 

『さがす』

 

佐藤二朗さんと伊東蒼さん演じる親子を中心に、西成区で繰り広げられる物語です。

 

父子家庭で借金を抱えながらも逞しく生きる2人(というか娘の楓)でしたが、父親が急に失踪。残された楓は一生懸命捜索。

 

そんな中、連続殺人で指名手配されている男と父の接点が浮かび上がってきて……

 

そんなあらすじです。

sagasu-movie.asmik-ace.co.jp

 


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私はすごく好きな映画でした。若干長いかなと思いつつも、リレー方式でフォーカスするキャラクターが変わっていったり、複数の問題意識が感じられたり味変が所々でありラストの展開も良かったです。

 

おまけの夜さんが言ってましたが、この作品の監督は「ジャンルレス」な作劇をする方のようで、今回もその色が出ていましたね。

 

前半はとにかく伊東蒼さんの演技が凄まじくて、見とれてしまいました。動いている伊東さんをずっと観ていたかったです。『空白』では透明な少女を演じていらしたので、正反対の逞しく生きる楓を完璧にこなしていてすごいな~と思いました。とにかく可愛いです。

 

前半は周囲の大人と楓の分断と青春を描いておりました。シスターとのやり取りや、家で1人の楓を自宅に招き入れた後、楓に見えないところで夫に「ごめんね!(ジェスチャー)」する担任の先生とか印象的でした。きっと私が先生に優しくされたときも、そんな風に思われてたのかな……と思いましたね。

 

中盤からは徐々にエンジンが掛かって、大人(ずるさなど)と子供の分断以外にも、「人間の尊厳」を問うような脚本になっていてよりハードに。前半をポップな気分で観れたのでより興味深く考えながらみれました。

 

一番好きなシーンは「白いハイソックスを履いた死体」にしか興奮することのできない山内が涙を流す所。

 

私は、死ぬことでやっと自分が背負わされてしまった性質から解放される、本当に死にたかったのは彼であり、それ故の涙だと思っています。

 

おまけの夜さんの解釈は、その直前に佐藤二朗さんがクーラーボックスを倒すと「プレモル」が雪崩れて来るシーンに注目して「山内はおっちゃんを信用していて、彼のためにビールを買っていた。だからやっとできた理解者に殺される悲しみ、やっぱり俺は異常で孤独なんだ。と思ったから泣いたのでは?」とおっしゃっておりなるほどなと思いましたね。

その他はだいたいいろんなレビューが上がっていて同じような気持ちなので割愛します。

 

最後の卓球をしていて、卓球の玉が消えているシーンはあまり記述がなかったので書いておきます。

 

まず通常のあのラリーもCGでピンポン玉を表現していたと思います。玉がずっとブレて写っていました。映画撮影用の良いカメラで撮るとフレームが滑らかなはずなので、もっとボール感がわかると思います。なのでCGではないかな……。

 

それが消えたということは、ストレートに捉えると「これは映画(フィクション)だよ」ということかなと。観客を現実に返す、正気に戻す行為だと思いました。物語の文脈的に言えば、これから親子のやり取りが無くなり、分断だけが残るということなのかも。

楓の勝ちで良かったですね。

 


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『地球外少年少女』

公開前からかなり話題になっていた磯監督の最新作です。

 

実は『電脳コイル』を観たことがない(正確に言うと当時小学生で何も覚えてない)のでこれまた感想の域を出ません。しかしSFアニメ作品歴史でも燦然と輝く名作らしいし、今作すごく良かったので取り急ぎ観ます。できればこの土日でやってしまいたいです。

 

また今作はNetflixで先行配信され、劇場では前後編に別れて上映なのでまだ全部みれてないんですよね。なのでさっくりと書いておいて、電脳コイルとともにガッツリ書きたいなと思います。

 

全編ワクワクする映像!サテライト同士での銃撃戦のようなシーンや出てくる小物すべてが輝いて見えました。

 

そして設定もたまらなかったな~。ちょっと時事も組み込まれていて素晴らしかったです。素晴らしかったっていうのは私の中では最大限の賛辞の言葉なんですが上から目線に捉える方もいますかね?すごくへりくだってるつもりなんだけどな。

 

そして1番震えたセリフは「宇宙は本物の自然界だ」です。月生まれの主人公が言うセリフなんですが、全くそのとおり。

 

私達からすると遠すぎて、未知すぎて「宇宙旅行」みたいなイメージが先行しますが、どんなものより本物であり、過酷な環境なのが宇宙でそれは地球にある様々な自然環境と同じく偶然によって生まれた(知識ないので宇宙の発生が必然でだったらごめんなさい)ものなんだよなと気づきました。

 

と、こんな感じですね。拙くとも自分が意義があると思うものは残しておきます。