ヒモ夫の日常

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大学生と名画その38「情婦」(1957年)

「情婦」(1957年)

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度肝of度肝を抜く映画

こんにちは。映画見始めると熱っぽくなる俺です。マジで拒否反応かも知れません。ブログを書いている今も体が熱い。今回の映画は無理ないんですけどね。

今日の映画は「情婦」です。監督はなんとビリー・ワイルダー監督。このブログでもイチオシの監督です。ってか大好きです。過去の映画はロマンスコメディです。爆笑必至のちょう良作ですが、なんとこの映画の後に撮っているんですね。うーん、天才。2時間ぶっ通しで我を忘れて観ました。すごいぞ。

リストによると

ジャンル:ドキドキ

監督:ビリー・ワイルダー

主演: チャールズ・ロートン タイロン・パワー マレーネ・ディートリッヒ

コメント:法廷映画の最高峰。上等の舞台劇を見る心地よさ。被告・証人・弁護士・世話焼きの看護士・・・名優が火花を散らす。衝撃のラストシーンは?・・・・・・・言わないでおこう(カンカンリストより)

 てな感じです。法廷映画、裁判ものでしたね。このリストでは二作目でしょうか。アラバマ物語とこの「情婦」です。どちらも法廷シーンが見どころでそれぞれすごかった。今回で言えば、日本でも人気の法廷ドラマの王道といった感じ、次々と繰り広げられていく、名優たちのバチバチにこっちも熱くなっていきますね。

そして日本で人気の法廷ドラマと言えば「リーガル・ハイ」という作品。絶対脚本家はこの映画、もしくはビリー・ワイルダー監督に影響を受けているだろうと思い、調べるとビンゴでした。やはり。

例によって「リーガル・ハイ」は観てないんです。あまりにも古御門弁護士が周りに出現していたので・・・

 アガサ・クリスティの原作小説をビリー・ワイルダー監督が映画化した法廷ミステリー

法廷劇と言ってものその内容は固いばかりでなく、かなりユーモアを織り交ぜつつ展開。そこから発展する緊迫したシーン、二転三転するクライマックスは今なお衝撃的

ある裕福な未亡人が刺殺される事件が発生し、腕利きの老弁護士・ロバーツは容疑者になったレナードから弁護の依頼を受ける。裁判が始まり、検察側の証人としてレナードの妻・クリスチーネが出廷。そこで彼女は思いもよらない証言を口にする。

1957年の公開当時、エンドクレジットに「結末を決して口外しないように」とナレーションが入るほどのどんでん返しが話題になった。(U-NEXTより)

 このあらすじでさえ若干ネタバレなんですが。

そうなんです、重苦しい感じではなくブラックユーモアというか皮肉な笑いが多いです。そこで勢いが出ます。でラストシーンは超衝撃!!!っていうかスピード感やラストまでの運びを含めて度肝を抜かれる感じですかね。仕掛け自体は大したこと無いって思う人もいるかも知れません。ミステリ好きの人はすごいですからね。私は鼻血が出るかと思いました。

このナレーションはサブスク配信でも流れてましたね。重い罪に問われても結末は知らないと言い張りますよ(^^)

どんな映画?

日本人好みの大興奮法廷サスペンスですよ。これは超面白いです。とまらない。

補足すると、この主人公ロバーツは大ベテランのじじい弁護士。私の好みの男性のタイプである、理屈っぽい・デブ・意地悪そう・頭がいいと四拍子すべて当てはまっています。私の尊敬する人間は何故かみんなそんな人です。伊集院さん、立花隆さん、岡田斗司夫さんといったメンツですね。この系統がツボな私からするとドストライクな主人公。生活習慣や年齢のせいで療養していたようで、看護婦付きで事務所に帰ってくるところから始まります。もう開始して数分でボケ数が半端ない。ナイツですね。というかナイツがビリー・ワイルダーなんですねもはや。おもしろい。これは退屈しないで見れるなって感じです。

そこになんとも真面目そうな男が来るんですよ。それが依頼人のレナードです。話を聞くと偶然町で出会った未亡人の金持ちの女性と仲良くなり、しょっちゅう家に遊びに行っていた。そしたらある日その夫人が殺人事件に巻き込まれる。その日レナードはお屋敷に遊びに行っていたんですね。召使いのおばあちゃんがいない日です。そこで容疑をかけられてしまう。まあ当たり前です。

しかもほんの数週間前に遺産の相続先が召使いからレナードになっていたり、ジャケットに婦人と同じ血液型の血がついていたり。唯一彼のアリバイを証言できるのは身内であるクリスチーネただ一人。しかもレナードはお金がなくて弁護料も払えないという。主人公のロバーツは大逆転が得意な法廷裁判官らしいんですが、今回ばかりはやべえだろって観てて思いましたね。その間も超コメディでおもしろいですよ。ナイツです。

十分な証拠も集まらないまま、裁判が開始されます。その時動画の再生時間は50分程度。あと一時間も残して裁判のシーンです。これは見ごたえのあるやべえのが来るぞ!!と意気込んで観ました。

それで検察側は淡々と証拠をあげていく。余裕です。だってこれ確実にやってますからねマジで。そこにロバーツは茶々を入れつつ進行していきます。そこで最後の検察側の証人として妻・クリスチーネが現れるんですよ!!。こいつ変な女なんですよね。最初に主人公の元に訪ねてきて、実はレナードとは重婚であり別の旦那がいる、彼を愛してはいないが自分を劣悪な環境から救い出してくれた恩はあるね。みたいなことをめちゃくちゃ冷酷に言ってたんですよ。そいつが法廷に敵側として登場。まずここで衝撃です。それで彼女の弁論が始まる。ロバーツはレナードを救うことができるのか!

もうすごい。そこからは絶対に目が離せません。しかもクリスチーネが出廷してもまだ40分残ってます。頭がおかしくなりそうでした。ラストまでの目まぐるしく変わる局面と、そこまでテンポ良くかつシンプルに勧めていく脚本や演技、全てが一流です。超面白い。そしてあのラストシーン。面白くないわけ無いですね。

好きなところ

もう言うまでもありませんが。主人公です。ぜひチャールズ・ロートンで調べてみてください。上に書いたような男です。ばっちりハマっている。彼は病人ですが、酒、タバコ、女が大好き。そして仕事柄かなりストレスがかかるため、葉巻が欠かせないんですね。まあだから病人なんだろって話なんですが。色々おせっかいな看護士に縛られるんですよ。それにグチグチと文句を言ったり、かくれて酒のんだりしながら、仕事に真摯に向き合いキメるところはキメると言う感じ。見た目や言動に惑わされがちですが、しっかりと主人公要素を持ち合わせているナイスなジジイです。マジでかっこいい。

劇中でもお気に入りの小道具があります。ロバーツの事務所では一回が仕事場で2回はロバーツのプライベートルームになっています。一回もそういうシーンはないので予測ですが。そこまで行くのにもちろん階段なんですが、ロバーツが病気をして退院してくるまでに秘密兵器を設置してます。リフトが付いてるんですよ。駅の階段なんかにある車椅子等を乗せて電動で上まで運ぶやつです。あれを使った演出が超好きですね。普通にアレに乗って乗り降りする太った老人ってだけでもおもしろいし、上手くギャグとして使うんですよ。あれの使い方は天才的です。さすがビリー・ワイルダー監督ですね。

そして主人公の大好きなセリフがあります。「killed him? shi executed him」というセリフ。どこで言われたかは言いません!!探してみてね!!

まとめ

いやあ面白かった。こういう映画があるからやっぱこの生活やめられないんです。法廷でのカメラワークもすごく上手くてあんだけ人がいるなか、こう的確にできるなんてすごい🌟って感じでしたね。自分の好きな監督とかを作るのはほんとに良いんですね!死んでますが。

もう映画を見ることが作業感ありますし、なんでこんなことに時間を・・・って思うこともありますが、友達が「映画を見て映画レビューを書くっていう数時間で、一番有効な時間の使い方は、映画を見て映画レビューを書く他にないのでは?」と訳わからなさそうだけど、たしかに。ってなることを言ってくれたのでなんか満足してます。明日も面白い映画なので、楽しみです。