ヒモ夫の日常

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【レビュー・感想】『劇場版カウボーイビバップ 天国の扉』

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ベタを観に行く映画です



今日15日で、上映終了してしまう映画が沢山です。

コロナ騒動のおかげで、映画の大渋滞が起こっております。エヴァアイマックス上映ももっと長くやるだろうと思っていましたが、明日からはじまる『コナン』、ずっと控えていた『ワンダーウーマン』、ちょっと先には『るろうに剣心』などなど大物だけでもいっぱいいっぱい。

そんな中鎮座し続ける『鬼滅』の凄さ。

そんな中ひっそりと終わっていく『カウボーイビバップ』の劇場版。みました。

 

カウボーイビバップ

渡辺信一郎監督のSFカウボーイアニメ。

こだわりを感じる音楽と、一話完結でサクッと見れる爽快アクション。

心地いいシナリオやセリフ回しを味わえます。僕は好きです。

西部劇や、ちょっと大人な昔の映画を見ているような感覚です。

「これこれー!!このベタだけど、ハードボイルドで、照れくさいけど、かっこよくて」っていう。

カウボーイビバップ独特の雰囲気というか、ビバップ空気というか。

それがしっくり来る人にはかなりいいアニメです。良いんですよ。

 

3人の賞金稼ぎ”カウボーイ”が、ダラダラ犯罪者をハントしながら日常を過ごしていく内容です。

アクションアニメなんですが、これといって目的とか敵がいたりしないんですよね。

特に生きる目的はないが、未練がないわけでもない。そんなキャラを少しづつ知っていくアニメです。もちろん音楽とアクションがカッコいいんですけどね!

 

で、劇場版はアニメの最終回よりも前に起こった出来事を書いているのですが、このアニメの核に関する話でした。

 

ある事情で、生きている実感を亡くして、目の前の生活が夢の様に感じてしまうヴィンセントっていう漢が現れ、生物兵器的なやつで犯罪を繰り返します。

それを主人公たちが止めるわけですが、この「生きてる実感がない」っていうのが映画のテーマであり、カウボーイ・ビバップ全体に通ずる主題だと思います。

 

天国でも地獄でも無い煉獄で、ダラダラと生き延びている犯人ですが、これは各キャラクターにも当てはまる。そしてなんだかんだ観てる私達にも共感できてしまう。

なんのために生きてるんだろうとか、今のこの体で生きている時間が夢や幻って言えなくもないし、そもそも現実ってなんだ?とか観た後にどうしようもなく、途方も無いことを考えてしまう映画でした。

いつものハードボイルド感、ベタでダサかっこいい感じ+ジトッとした現実を突きつけられた様な。

 

最後必ず、「see you space cowboy」とかそのエピソードに適した文句をテキストで写して終わるんですけど今回の映画は

 

「ARE YOU LIVING IN THE REAL WORLD?」

 

って右端にドーンって出て終わりました。このダサくて良い感じわかりますでしょうか。

「君等は現実を生きてるの??」って意味ですが、この問いかけのニュアンスもいいですよね。

精一杯生きようぜ?ではなく、おまえのその”現実”と思って生きている体や時間は果たしてリアルな世界なの??

ってこう突き放すような、でも優しい問いかけがぶっ刺さりました。そして結局この煉獄から開放される瞬間は「死」でしかないことも作中通して語っている。

朝イチの映画でなんだかハードボイルドないい朝になりましたよ。

 

好きなところ

音楽が暴走してて良かったです。

TVシリーズでも、セリフや効果音よりも音楽のボリュームがでかくてうるせえなあ!!みたいなことはありましたが、劇場版はかなり爆音でした。

爆音BGMで、心地いいアクションが展開されていて思わず体が動いちゃう感じ。あのこだわりには脱帽です。

とてつもなくかっこよかった。

 

主人公・スパイクの体術がやはり良い。

TVシリーズ後半は、重めな展開や心理描写などが多く、スパイクの近接戦闘が少し減っていましたが、劇場版は盛り盛り!!!!

ブルース・リーやら伝説のアクションスターからの流用らしく足技が主体なんですが、スパイクの長身と相まってやっぱりアクション映えします。

足技と高身長はやっぱり相性がいい。それにおしゃれなBGMですからね。

しかも声優は山寺宏一だし!!

 

 

 

Netflixでも配信してますので、興味がある方はぜひぜひ御覧ください。

 

                  

                        SEE YOU SPACE COWBOY ...