ヒモ夫の日常

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【プロフェッショナル】庵野秀明スペシャル ”プロフェッショナル”が嫌い

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いやあ面白かったですね。

 

あんなにたっぷりとテレビで庵野秀明を見れるとは。

後追い世代の若者からすると夢みたいな話ですよ。これは現実なのか?と思いました。

 

正直な感想としては、若干物足りなさもありながらも、舞台裏や声優さんとの関わり合いのシーンなどなど見れて満足でした。

 

カラーの社内を観るのも、この前のアニメ見本市のとき以来で、有名監督さんたちや、アニメーターさんたちも見れてよかった。

 

庵野監督が、アオイホノオや監督不行届のまんまであることが、少しは分かりましたね。

 

そしてやっぱり庵野監督にしてやられたな。と思いました。

 

今回は気になった点を少しだけメモします。

 

 

 

なぜドキュメンタリー取材を受けてくれたのですか?

 

エヴァを作るにあたってスタッフで熱海に合宿に行く様子が収められていました。

 

その中で、しきりと庵野監督が

「外の雨撮った?」とか

「(雨が)激しい時に取るの、インサートに使えるよ」

 

などと発言。スタッフは仕方なく外を撮影し、良い感じのナレーションとインサートを入れてました。

 

その他にも、「僕を映したってしょうがない」「こんなとことっても意味がない」とおっしゃったり

ドキュメンタリーの撮り方についても意見をしていました。

 

そこに僕は疑問を持ちました。

その後庵野監督は

「現場の困っている人を撮ってくれ」「いかに特殊な作り方をしているか撮ってくれ」

 

と発言。これを受けて庵野監督は

「すべていい映像にしたい」と思っている。このドキュメンタリーを商業的な映像だと実感しているのかなと思いました。

 

基本的にエンタメでなければいけないし、そもそもこちら側(カラーや庵野さん)の利益が生まれるような映像でないと、インタビューを受ける意味がないんですよね。

 

だから自分が良い人に見えるように撮ってね!とかかっこいい映像を作ってね!

とおっしゃっていたと思います。

 

鶴巻監督?が言っていたと思うのですが、結局自分じゃ作れないものを作りたいと思っても、庵野監督以上に、凄い映像が作れる人間はそうそういない。

だから結局、自分で作る。こっちのほうが良い!!って庵野さんが思っちゃうと、クリエイタースイッチが入っちゃう

 

みたいなことを言ってましたね。それがこの『プロフェッショナル』にも影響を及ぼそうとしているんですよ(笑)

 

庵野監督はドキュメンタリーじゃなくて、『シン・エヴァ』のプロモーションにしてしまおうとしていたんですよ。大げさに言っちゃえば。

 

そしてその後

「なぜこの取材を受けたのか?」と聞かれる。

 

その時にあっさりと

「商売です」

と(笑)

 

「謎めいている」ということが魅力にならない時代になった。だから開示して、行かなければいけない。とおっしゃっていました。

 

さすが庵野監督ですよね。

 

今の若者が、「親近感」を元にして情報を選択していることを感じ取っているのではないでしょうか。

ラジオやYou Tube、ティックトックなどの今主流のエンタメコンテンツは、生産者と消費者の距離が限りなく近いですよね。

 

ほとんどプライバシーの切り売りですよ。ティックトックなんか観てて、見た目が良いか、自己開示しまくりの開き直りがバズっているのを見ると実感します。

 

庵野監督は、そういった今求められるものが、安心感や距離感の近さなんだなあ

 

と思い「商売です」なんてつんつんしながら、出演を決めたのではないでしょうか。

 

そうは言いつつも、ガッツリいろんなことをお話されてましたが(笑)

 

お父さんのことも、その他インタビューより少し詳しく話してくれました。父の憎しみを感じていたことだったりとかね。

自殺の話も、死に損なった、会社から飛び降りようとしてた

というインタビューはどこかで拝見しましたが、あんなに赤裸々に肉声で聞いたのは僕は初めてでした。

 

 

庵野監督にとって、プロフェッショナルとは?

 

僕はこの質問に庵野監督がなんて答えるのか

 

ずっと疑問で夜も眠れませんでした。

 

一体あの自意識の塊のような、謎の180センチの男がなんと言うのか気になりました。

 

期待を裏切る形で、期待に答えるのが庵野監督っていうのを忘れていました。

 

プロフェッショナルってどんな人も、最後は「ぽい」事を言ってしまうもんです。

撮ってる人も、見てる人も、写ってる人も

いわゆる「プロフェッショナル酔い」をしてしまって、そういうのが気になるし、自分で語ってる内に、何か見えてきて被取材者もポロッと臭いことを言ってしまう。

 

そして僕らは泣いちゃうわけなんですけど(笑)

 

庵野監督はさらに、というかいつも、”うがった客観視”(僕らから見れば)をしていて「プロフェッショナル酔い」をすることはなかったようです。

もはや謙虚とも違うような気もしますが。

 

ーー庵野監督にとってプロフェッショナルとは?

(うろ覚えですが)

あんまり関係ないんじゃないですか?プロフェッショナルとか。

なんかこう嫌いなんですよね。タイトルだけ変えてほしかった。

 

終 制作・著作 NHK / シン・イケダゲリオン劇場版:❘❙ さんのイラスト - ニコニコ静画 (イラスト)

 

なんと庵野監督らしい終わり方(笑)

腹ちぎれるくらい笑いましたね。しかもカッコいい!!

 

あれは「プロフェッショナル」っていう言葉を嫌いってことではないですよね。

番組自体を否定しているわけでも無いですよね。

 

単純に、そういう言葉にかこつけて、自分の存在や仕事を美化してよく見せるっていうのがそんなに好きじゃないですよって

ことなんじゃないかと思っています。

だって命よりも作品をとるおじさんです。自分はこれでしか役に立てないから、良いもの作るしか価値がないから死んでもアニメを作ります。

 

っていう覚悟と精神のおじさんが、「プロフェッショナル酔い」になるわけ無いですよね。

 

 

つくづく庵野監督だなあと思いました!(小並感)

 

 

まとめ

庵野監督の思惑通り、エヴァや自身を開示してシン・エヴァのプロモーションになるかと思えば、やっぱりこれまで語ったことのない部分だったり、アフレコや制作の裏舞台、色んな人の表情が写っていて結局すげえものになっていました。

NHK凄い!

 

個人的には、シンジ役の緒方さんがTwitterでつぶやいていた、「エヴァらしいアレ」の部分(さようなら、すべてのエヴァンゲリオンの追加)を観ることができたり、ミサト役の三石さんの、多分ラストシーンのアフレコシーン、アスカ役の宮村さんの、アスカの素性がわかるシーンのアフレコを観ることができて幸せでした。

満足です!