ヒモ夫の日常

駄文、愚文

大学生と名画その40「仁義なき戦い」(1973年)

仁義なき戦い」(1973年)

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菅原文太かっこよすぎる

こんにちは。PCの画面にここ3日くらいなんかついてたので、重い腰をあげて取ってみるとヒゲでした。

今日の映画は「仁義なき戦い」です。聞いたことはありますが、観たことはない映画トップテンに入る映画ですよね。後述しますが「チャララー、チャララー」という仁義なき戦いのテーマは有名ですね。今も脳内に鳴り響いています。

眠いので頭回りませんが、よろしくおねがいします。感想としてはクソほど面白かったです。祖母との会話がちょっと極道っぽくなってます。

リストによると

ジャンル:意外な快作

監督:深作欣二

主演:菅原文太

コメント: 広島ヤクザの抗争と若者達。今も名画座を満員にする強烈な映画。「バトルロイヤル」の深作組のパワー全開!(カンカンリストより)

 いやあ本当に強烈な映画でした。すごいです。このところ静かな立ち上がりの映画が多く続いていたもんで、しょっぱな掴まれてしまいましたね。

最初っから広島の女性が米兵にレイプされるところから始まります。ぶっ飛んでますね。下手な英語と女性の金切り声に圧倒される。こういう映画もいいですよね。私の性に合っていると思います。地獄の黙示録とかも力のある冒頭シーンですし、最近では「JOKER」なんかもそうですね。ただ子供にいじめられるだけでなく、看板でボッコボコにされるシーンから始まる。とんでもねえのが始まるな。ってのがビンビンに伝わらあ。ちんけな、駄文ではございますが、皆さんの時間つかあさい。

血で血を洗う抗争が勃発!リアルな描写で観客を熱狂させたヤクザ映画の金字塔

義理人情を重んじる任侠道を描くそれまでのヤクザ映画に一石を投じた衝撃作。大ヒットを記録し、深作欣二監督、菅原文太ら日本映画界を牽引した大御所の代表作となった。

複数の組が乱立する終戦直後の広島・呉。復員した広能は、その度胸ときっぷの良さを買われて弱小勢力である山守組の身内となり、敵対する土居組の組長の暗殺を実行する。しかし、それを機に山守組内にも、不協和音が流れることとなり、抗争が激化していく。

実在のヤクザ、美能幸三の獄中手記を基にした原作小説では、登場人物に実名を使用。一方映画では実名に近い役名を用いている。(U-NEXTより) 

 ちなみに金字塔とはピラミッドのこと。形が「金」っていう字に似てるかららしい。なんか偉い人を称えるためのもんだから、こういう使われ方をするらしいですよ。

どうやら侍とかの時代劇を現代風にしたものが任侠ものだったらしいです。そっからアウトレイジとか全裸監督とかそういう、ヤクザ映画って言えばバイオレンスで理不尽で大変そうなイメージを築く要因となった歴史的な映画なんですね。

どおりで最初っからフルスロットルなわけですよ。いやあおもしろかった。しかも実話なんですよね、もう怖い。一生カタギでいたいです。だから夜のちょっと怖い街で飲みたがる若者が理解できないですよ。ほんと一歩間違ったら、あの音楽聞こえますからね絶対。

どんな映画?

暴力&暴行です。血で血を洗うとはよく言ったもので多分、スキップしてもスキップしても血が出てるんじゃないかってくらい。私割と耐性はある方ですよ。血しぶきとか、殺し合いとかね。でも普通盛り上がってきた場面や、終盤とかじゃないですか。始まって10分とかで腕がポーン!血ブッシャー!とかですからね。ただ事じゃないなと思いました。

で最初っからその調子なので引き込まれると同時に、「これはギャグなのか?」って思ってきちゃいます。セリフや演出もこんなヤクザがはたしているのか?と疑問になるようなメンカタコッテリなシーンの連続。半笑いで観ていました。がそれが一変します。

菅原文太さんが演じる主人公の広能が男性としてもヤクザとしても成熟していくに連れ、映画自体の濃厚さもマジさも増していき、いつの間にか自分も広島ヤクザ言葉を話すようになってます。すごい。前半のワチャワチャはあくまでも客引きのようなもので、抗争や内紛が激化してどんどんリアルで、かつエンタメな世界になっていく感覚があります。ラストシーンの菅原文太が去っていく姿を見ながら「続きが見てええええ」ってなりました。すごい魔力のある映画です。

好きなところ

前半の笑っちゃうようなこってりなシーン。菅原文太やヤクザたちのかっこいいシーン。そして仁義なき戦いのテーマの使い方ですかね。

主人公広能は戦争から帰ってきた若い男です。カタギです。最初から極道なんてもんはいねえですもんね。

そしていろいろあって拘置所みたいなとこに入れられる。そこに一緒に入ったのが当時呉を仕切っていた土井組の若頭。彼と一緒に釈放される手段を考えるわけです。戦後で仕事もねえですし、男気と度胸だきゃあ広能も立派なもんですからそこで二人は兄弟の契りを結ぶんでさ。ヤクザってのは、親や兄弟と盃を交わして関係を構築するもんでございますが、そこは獄中。なにもない。そこで若頭は変なことを言い出すんです。「血をすする」って。

は?

呆然としてみていると、お互いが腕を組み、カミソリでそれぞれの腕に切り傷をつける。そこから出た血を傷口に唇をつけて二人同時にすするんですよ。それで「・・・・あぁっ」ってします。お茶飲んだときみたいな。冬に温かいお茶入れて飲むみたいな。そんな感じ。そこで浮世からぶっ飛びましたね。これガチなわけですから、極道の人たちがどんな稀有な存在であったか知ることができました。やはりネタというのは世界に溢れているんですよね。

でまあ気分が乗ってるときにみる極道ほどかっこいいものはありませんよ。口数は少ないですが、ドスの利いた声。大柄な体と、あの髪型。そして圧倒的な暴力。絶対イヤですけどね。現実では。マジで怖い。ですがとにかくかっこいい。

そして皆さんおなじみの仁義なき戦いのあの音楽。「チャララーチャララー」です。絶対聞いたら分かるので調べてぜひ聞いてください。ちょっと怖いトラックの運転手さんの着メロです。あと加藤浩次や、梅沢富美男、健介の妻とかがテレビでキレたときに流れる曲ですね。

最初に広能が人を銃殺するシーンがあるんですが、そこで初めて流れて正直鳥肌が立ちました。バラエティでしか聞いたことなかった曲が、こんな使われ方でこんな迫力あるんだ!もう一回聞きたいな~。でもスターウォーズバック・トゥ・ザ・フューチャーもETも有名な曲ってせいぜい2回くらいしか聞けないし、静かなバージョンとかオルゴール風でしか聞けないんだよなー。って思ってましたが、

これ人が死ぬたびに流れます。やはりヤクザ同士の争いってマジですごいんですよ。ずる賢い卑劣な戦いもしょっちゅう。裏切りも下剋上もなんでもありなんですね。で組の人物が撃たれて倒れるたびに「チャララーチャララー」ってなって死んだ日付と名前がテロップで出る。これが10回位ありましたね。最後らへんは読めるので、「チャララーチャララー」って自分で先に歌っちゃってました。もはやスーパーマリオブラザーズの「テレッテテテテン」です。死ぬSEでした。そこもぶっ飛んでて好きです。

まとめ

あと面白かったのは、ヤクザと言ったら欠かせない「クスリ」の存在です。彼らの稼ぎはギャンブルや金貸しですが、やっぱハスラーなとこですよね。楽に大金が手に入るのでやらない手は無い。このクスリのせいで組織もだめになっていくんですよ。この作品では「覚醒剤・通称ヒロポン」ですね。そういう薬として売っていたそうですよ。もとは外国で軍人さんのような体も心も酷使する職業人に使っていたもののようです。今でいう魔剤ですね。モンスターとかレッドブルみたいな。あんな感じで使われていて、終戦したら要らなくなったので市民に流出、科学的に危険だ!と言われてからはそういう闇の世界のものになってしまったそう。おもしろい知識を得ました。サンキュー!深作。

バック・トゥ・ザ・フューチャーと同じく、このリストを見終わる事ができれば続編も追いかけたいですね。戦争映画も好きなので極道もやはり好き。自分とは遠い世界の話や、人間や心情に惹かれるんですよね。悲しいことに戦争との距離感はどうかわかりませんが。

最近、よく友達から映画見たくなる!とかなにかしたくなった!って言ってくれることが多くなってきました。非常に嬉しいです。みんなでこういうときにしかできない事やっていきましょうね。