【GW映画レビュー その8】『ゴジラ対ヘドラ』ー『モルカー』は現代のヘドゴジでした
【GW映画レビュー その8】『ゴジラ対ヘドラ』
今日はゴジラ対ヘドラです。
ゴジラSPでも、EDや夏祭りのお神輿に絵が描かれていたりちょこっと優遇。
映画をライフワークとする友人・Uからも面白いとの太鼓判が押されていたため、GWにふさわしいと思い選出しました。
冒頭から実に良かったです。『シンエヴァンゲリオン』の第3村パートを最初に見たときと同じ感覚でした。
この作品も昭和ゴジラの中では後期の方の作品じゃないかな。デザイン的にも、子供向けの側面が強い時期のゴジラだと思われます。全体的な印象としては、今までに比べてアクションや爆発がやや物足りない(多分低予算だと思います笑)が、「公害」という題材と、アイロニカルな雰囲気が充満しており、変に怪獣を総動員して戦うよりも、風刺が聞いており好みでした。
大体かるくウィキペディアなどで、作品のこと調べるんですが、やはりかなりの低予算だったそうです。邦画の斜陽化が叫ばれ、東宝もギリギリ。円谷英二氏は亡くなり、にっちもさっちも、という状況下のスタートだったそう。
新しい昭和ゴジラのスタートとなる作品でもあったそう。どうにか一発当てないといけないが、金は無い。その状況が作品見ただけでもわかりました笑
「最悪の作品50選」にも選ばれたそう。(アメリカの雑誌かなんか)
逆張りキッズではありますが、とっても面白かったですけどね。ぜひ映画館で観たい。
常々思いますが、映画は映画館で見るべきです。絶対に。部屋の中には誘惑がありすぎる。PCではU-NEXTのアダルトビデオ見放題サービスの誘惑。スマートフォンではファンザのセールのEメール。
こんな状況では、ながら観しかできないですよ、ほんとに。何をしながら観ているのかは勘弁してください。
あらすじ
宇宙から飛来してきた生命体から生まれた公害怪獣ヘドラじゃ、汚染物質を吸収しながら巨大化。地球を汚染し続けて人々を苦しめるヘドラに、ゴジラが立ち向かう。
(Netflix)
どんな映画??
ずばり、皮肉。
冒頭からたまらなかったです。なんと意地の悪いことか。
監督自身も、怪獣ではなく現実の社会悪と戦うモノにして、初代ゴジラの雰囲気に近づけたい。と思っていたそう。
昭和46年頃はとにかく、公害問題が多かったそうです。あとは若者の新人類化。
そういう社会風刺と皮肉たっぷりな映画でした。
詳しくは下記で。
好きなところ
もはや冒頭何分かを解説するコーナーにしてもいいと思います。
私はアバン(厳密に言うとアバン含めた冒頭部)至上主義なので。
今回は、海の中にギョロッと見えるヘドラの目が写され、タイトルになります。
その瞬間に謎の曲が流れる
めちゃくちゃかっこいいです。特撮アニメのOP風の曲調で、SEALDsバリのデモ文句なんですよね。
映像もいいですよ。キッタナイ海で魚が浮いてたり、壊れた壁掛け時計があったり、上半身と下半身が真っ二つになった人間(マネキン)が浮いていたり、これでもか!と言わんばかり。
気づけば、かえせ~!とコーラスしてました。
そんな曲が終わり、子供が庭で遊んでいるシーンに。ゴジラの別種類のソフビを持って遊んでいます。子供のモノになってしまったことへの小さな抵抗です。もちろん子供なしでは東宝も潰れてしまいます。それでも、ヒーローとなってしまったゴジラに対して、何か言いたい。
「だってゴジラは一番のヒーローだもん!」って子役にも言わせてました。皮肉。
次はその子の家で飼っている熱帯魚の水槽が映ります。それがまた結構良い家で水槽も大きいんですよね。大黒柱である男性が、丁寧に餌を入れてやっている。
あんなに汚れた海を放置しておいて、陸ではそこそこの金持ちが優雅にアクアリウムに興じているわけですよ。
意地悪だなあ~。でもそこが好きです。
この他にもたくさん皮肉なシーンが出てきます。風刺とも言いますね。
ヘドラを倒したあとに、ゴジラが「てめえらの尻拭いしてやってんだよ!」と人睨みしていったり。そもそも戦闘でも人間が用意した兵器が結局役に立たずゴジラがなんとかしてます。
自分で壊す癖に治すこともできない人間の尻拭いを終始やってくれるゴジラ。ラストの戦闘シーンでは、人間の間抜けさがシュールに、皮肉に表現されています。
ほんと最後のラストまで意地悪です。それが好き。
あと挿絵的なアニメーションが入れられるんですがそれもグッド。
まとめ
おもしろいおもしろいと言いつつも、日々海を汚しているわけで。モヤモヤしつつ、ゴミの分別とか、ペットボトルを潰してみたりとか。
たぶんこんなことじゃなんの解決にもならないし、そもそも分野が違いそうなもんですが、そういう気分になることが映画の役割でもありますね。