ヒモ夫の日常

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大学生と名画その93本目「十二人の怒れる男」(1957年)

十二人の怒れる男」(1957年)

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ヘンリー・フォンダかっこいい!!

こんにちは。口内って貧弱すぎやしませんか?私はよく熱いものを食べると歯茎の延長の上の部分をやけどしてしまいます。細かく場所を説明すると口の天井のところですね。なんか歯の骨を覆う歯茎みたいな、一度も視認したことはありませんが、舌で触った感じ脳みそみたいな模様をしているであろう部分です。あそこ毎回やけどするんですよね。今日はめちゃくちゃあついパスタを食べました。よく考えると熱いパスタがよくわからないんですけど、作ってもらったし、美味しかったので文句はありません。口の天井も学んでほしいですよね。まず構造ですよね。あの部分謎に出っ張っているので食べ物が触れやすい。あとはなんどもやけどしているならそろそろ強く生まれ変わってほしいもんです。これからあと幾度となく熱いものを食べると思うので、そのたびにそうなるのは嫌ですよね。ディストピア食が完成するまで人類は口の天井をやけどし続けるしか無いのでしょうか。

今日はそんな映画の「十二人の怒れる男」です。これまた有名な映画ですよね。ある裁判に立ち会った12人の陪審員達が、罪の有無を決める一部始終を描いた作品。ヘンリー・フォンダがまたかっこよく映りやがってという感じですね。荒野の決闘史上最大の作戦、とやはり名優です。

私はこの作品に関しては珍しいタイプだと思われます。まずこの作品はアメリカのテレビドラマを映画化したもの。そしてこの作品を日本版にオマージュした「12人の優しい日本人」という演劇作品があります。それを映画化した邦画作品もある。そしてその12人の優しい日本人に影響を受けた若き上田慎一郎監督(カメラを止めるな!)が「お米とおっぱい」というお米とおっぱいをこの世からなくすならどっちをなくすか、を議論するという映画があります。

私はこの3つの映画作品の内、後者2つを見たことがありました。つまり12人の優しい日本人とお米とおっぱいだけ先に見て、元祖である今作「12人の怒れる男」を視聴していなかったんですね。そんなおかしい日本人他にいませんよね。その分特殊な見方ができたと思います。

リストによると

ジャンル:意外な快作

監督:S・ルメット

主演:H・フォンダ R・J・コップ

コメント: 場所は一室のみ。12人の陪審員が評決を出すまでを描く。苛立ちと、暑さと、正義感・・・が交差する法廷異色作品。

リストより

 法廷者なんですが、登場人物は陪審員のみ。事件を起こした人物の顔すら出てきません。会議室だけで全てを完結させてしまいます。これってすごいことです。私は12人の優しい日本人のせいで、驚きは2年前くらいに感じましたが、ガチでエグいと思います。持たないですよね普通。ちなみにお米とおっぱいも頑張って持たせてました。

どんな映画?

とっても気持ちのいい映画ですね。これにつきます。なんか交渉なスカッとジャパンって感じですね。ド派手なシーンもなければ、これみよがしに恐怖を煽るサスペンスもありません。会議室で議論しているだけなので、それなのに手に汗握るし、憤りを感じるし、悲しいし、気持ちい。最小限のものだけで人間の感情なんて動かせますよ、ってドカーンと言われているような感じです。

親殺しの18歳の少年が今回の被告人です。検事側は用意周到で、裁判を聞いた感じだと圧倒的に有罪。なので陪審員達の議論が始まった瞬間に、有罪11、無罪1という投票結果になっていしまいます。陪審員制は全員一致にならないと判決を下せないのでこれではだめなんですね。ちなみにその反対票1が主人公であるヘンリー・フォンダです。人の命をたった5分で消してしまうのはいかがなものか?という理由で無罪に入れます。そこから彼を中心に検事側の証言を検証していきます。が、議論はかなり難航し、イラッイラの汗ダックダク。雨も超絶降り出してしまう。そんな中、一人の可哀想な若者の生殺与奪を任された彼ら12人は、一体どうするのか?!

といった感じです。いやあ面白かったですね。類似作をいくつか見ていたので、冷静にかつ比較しながら見れて楽しかったです。

ここで三谷幸喜監督の優しい日本人と少しだけ比べてみますが、これは三谷幸喜すごいなと思いますね。あんまり評価されているイメージが無い(鬱屈したラジオリスナーだからか?)ですが、私は12人の優しい日本人好きです。きっと元ネタを先に見ていても十分面白かったはず。別物とはいいすぎかもしれませんが、事件内容から、議論、そして判決まで異なっていますし、喜劇作家らしい仕掛けもあってひねってる感もありますしね。面白かったです。

 

好きなところ

先程必要最低限という言葉を使いましたが、それはあくまで形式というかハード面の話であって中身のディティールはすごいですよね。だって白黒映画でたくさん人間が出てくるのにちゃーんと誰がどんな人物であったか記憶に残っています。キャラクター設定の妙もありながら、しっかりと描き出す脚本や、撮り方もたくさん工夫があるはずです。いちいちそんな事考えながら見ていると、精巣が枯れてしまうのでまた今度見る機会があったらその辺細かくみたいですね。

そして私が好きなのは、陪審員のおじいちゃんと、メガネかけたひ弱そうなおじさんです。彼ら2人は陪審員の中でもちょっと端役ですがしっかりと役割を持って動いていて好きです。特におじいちゃんの、目立ちたい、年老いてからの人間の扱われ方についての推測の部分が好きですね。

私の性癖なんですが、役割論理がしっかりしている集団や作品を見るのが好きなんです。それは何でもよくって、たとえば生涯で一番愛しているアニメ作品の「けいおん!」ですが、あれも軽音楽の女子高校生5人の完璧な集団としての役割遂行の美しさを見るアニメですし、楽曲内での音楽グループでの役割や、今回のような映画でのキャラ設定とその物語に対する貢献度が綺麗に伝わるものを見るのが好きなんですよ。たぶんピタゴラスイッチが好きな人はそういう癖があるのではないでしょうか。集団として成り立っているものを見るのはとっても好きです。

まとめ

関連作品を含めて好きな映画です。性癖の話も出来ましたし、満足です。明日は劇場で「もののけ姫」を見るつもりです。岡田斗司夫さん調べによると、となりのトトロが勘違いされたから仕方なく作った、トトロがトトロになる前の話が「もののけ姫」らしいですよ。