ヒモ夫の日常

駄文、愚文

大学生と名画その84「カッコーの巣の上で」(1975年)

カッコーの巣の上で」(1975年)

 

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人間とは?

こんにちは。時間って残酷じゃないですか?時間って平等に流れていきますが、人間一人の中で進む時間って一人の時間でしか無くないですか?時間が立って変化していくのは自分の価値観とか感覚とかだけじゃないですか。他人の時間は止まっているに等しいんですよ。自分だけ進んでいるわけで、他人の変化に気づく術なんてないんですよ。心は読めませんからね。

だから人間は他人を時間が止まったあの頃のまま保存しているわけです。会ったり共に生活していれば時間も動き始めますが、やっぱり標準時間は自分自身なわけで、他人は日付変更線の後ろにいるでしょう?残酷だーーーー!醜い自分のまま他人の中で永久に時が止まっているんです。

飛躍しますよ。こっから大ジャンプカットなんですが、だからもう他人の存在などモブキャラだと捉えないとやってられないですよね。自分以外はノンプレイヤーキャラクターだと思わないとみんな死にますよ。気をつけないと。

エッセイ的なブログ書くときってなんかちゃんとしたこと言わなきゃなあみたいな、労力を使うんですけど、この映画メモブログは気にせず書けるのでいいですね。

今日はそんな映画の「カッコーの巣の上で」です。ジャック・ニコルソン主演。精神病棟での男たちの暮らしを描いた映画です。面白かったですね。時間は前後してしまいますが、ショーシャンクの空にを見た後なので、そんな感じがしてよかったです。主人公のジャック・ニコルソンももちろん、患者仲間たちのキャラクター設定が非常に良かったです。

リストによると

ジャンル:しみじみ

監督:M・フォアマン

主演:ジャック・ニコルソン

コメント: 主演男優・女優/監督/作品/の主要4部門独占。精神病棟が舞台だが、人間の尊厳と自由を描いて、ま~ぁ痛快!

リストより

 だそうです。しみじみではありますが、まあほんとに痛快でしたね。シャイニングといい、イージー・ライダーといいジャック・ニコルソンの奇演がすごい。これは怪演と書くのが照れくさいので奇演という言葉を勝手に作りました。言葉間違ってんなと思わないでください。

ショーシャンクの空にと違って、刑務所でなく病院なので、管理してる側が完全な悪ではないんですよね。もちろんひどい有様ですが・・・

どんな映画?

集団になにか異物が混ざって、変化をもたらしていく系の映画です。よくありますよね。吹奏楽部、聖歌隊、囚人、お魚ちゃんとか、野球チームとか手を変え品を変えいろんな舞台で行われてるヤーツです。

今回も婦長に飼いならされた患者たちの中に、ジャック・ニコルソンが入れられて”治療”のおかしさに気づき、破壊するっていう感じ。面白くないわけがないですね。

主人公のマクマレーンは、社会復帰の支援施設にもともとは、はいっていたんですが5回暴力事件を起こしてしまい、精神に問題があるのでは??ということで精神病棟に入所するところからはじまります。

そこに入院している人はみな自らの心に問題を抱えているため、表情、話し方、挙動、発言も個性的です。心配性すぎる人、一切喋らない&聞こえない人、どもってしまう若者、アホ、とかいろんな症状がある。そんな人達の中でマクマレーンは生活することになります。彼自身一般からは離れていますが、疾患は持っていないようで、動物のように飼われていて、衝突ばかりしている彼らを開放しようと(自分も楽しそう)いろいろやらかしていく話です。テレビがつまんないから野球見せろ運動をしたり、日課のミーティング(みんなで話してカウンセリングしようみたいなやつ)をめちゃくちゃにしたり、外にいる女友達を使って漁船をチャーターしてみんなで沖釣りしにいったり。最後のはテイストが違いますが、好き勝手やるんですよね。そこらへんにおもしろさ、爽快さがあります。

ですがやっぱりそういう、強いて言えば「異常とされ隔離された人」たちを主題にしているため、施設側の問題や、また疾患の原因など「うっ」ってなるのもそこそこあって、リアリティとエンタメのバランスが非常にいい作品です。

好きなところ

やっぱり、チーフというキャラクターですかね。ジャック・ニコルソンが入院してきた初日にロン毛のしずちゃんみたいな大男がいるんですよ。彼は耳が聞こえなくて、なんの反応もしない男です。しかもかなりでかい。山みたいです。あの一番最初の画像に写ってる人です。ジャック・ニコルソンは悪いやつでは無いので、すべての患者に平等に接しますが、そいつにだけは丁寧というか、みんなが「聞こえないから無駄」みたいな扱いをしているのを感じ取り、バスケをさせようとしたり、いろいろちょっかい出すんですよね。もしかしたら、外の世界の自分と重ねているのかも知れませんが、そんなに繊細な男でも無い気がします。

そういう無口ででかくて強くて、みたいなキャラって好きになりますよね。ボーちゃんも、しずちゃんも、チューバッカもそういう系ですよね。

彼のシークエンスはどれも良い。一番好きなのは、あの画像のシーンです。彼実は健常者なんです。耳も聞こえるし、話もできる。それがわかったのがあのシーンなんですよ。

ちょっと施設側とゴタゴタがあって、マクマレーンが手を出してしまう。それで係の男たちにボコボコにされるんですが、チーフが無言でそいつをぶん投げたりして、あのデカブツが守ってくれた!!みたいな。不器用なパワー系が本領発揮するみたいな鉄板展開があってその、取り調べで2人が呼び出され、順番を待っているとこなんです。

マクマレーンがチーフに「ガム食う?」って聞くと受け取って「ありがとう」っていうんですよ。そこが良いですね、胸アツ。

その後、仲を深めた2人は逃げ出すことを決めるんですが、チーフの心の内を聞くシークエンスがあってそこもまたいいですね。「俺は小さい男だ・・」というセリフが印象的です。

他にも沢山の良い患者たちがいます。

 

まとめ

いやーこれも面白い映画でした。それと同時に私の精神がしっかり涵養されていることも、分かりましたねー。いい体験してんなー。この後7月の振り返りブログも書くのでこれくらいにしておきます。