ヒモ夫の日常

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大学生と名画その75「WALL・E」(2008年)

WALL・E」(2008年)

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文句なし!!

こんにちは。画像のサイズが小さいのは許してください。今日の午前中にメール直せました。いかにも情弱な書き方ですよね。「直す」って。

いやー今やLINEで問題を解決できる時代なんですね。よかったです。

さて今日は疲れているので端的に書いていきます。無理ですけど多分。

ちなみに今日の映画は「ウォーリー」です。超面白い。名作です。

リストによると

ジャンル:ウォーリーの絵が書かれてます

監督:A・スタントン

主演:WALL・E HAL EVA

コメント: ゴミを集めて、固めて、700年、地球最後のロボットは、ゴミの中のビデオ「ハロー・ドーリー」を見て感激。いつか誰かと手を繋ぐことを夢見る。09年オスカー最優秀長編アニメ賞。

リストより

 とこんなかんじです。私も、確か劇場ではないですが、DVDかテレビ放送で何年後かに見ましたね。ラストの方とか、ウォーリーとエヴァ(イヴ)のシルエットとかそこらへんは記憶にありましたね。

そしてこのあらすじを読んでもわかりますが、すっごく面白かったです。ロボットの2人はかわいいは、登場”人物”たちにも沢山仕掛けがあって刺激的だし、そして過去の名作のオマージュも盛りだくさんでした。

リストでジャンルを個別にされていること、主演のところにアニメキャラが書かれているところにリスペクトを感じます。もしかすると実写映画としておじさんたちは捉えているのかもしれません。あながち間違ってはいないですよね。ほぼ機械の映画なので。

私はツタヤで借りた、ブルーレイでみたんですが、やっぱブルーレイすごい!!めっちゃ綺麗でした。そして何と言っても特典映像の豪華さよ。たくさんあったんですが、一番感動してちゃんと見たのは脚本、絵、監督を担当したスタントン自らがオーディオ・コメンタリーを担当し、全編に渡って舞台裏を語ってくれることです。

いやあ熱かったですね。監督いわく、「このアイディアを思いついた瞬間から、ユニークで他にないものだと感じていた」らしいです。友人との会話がウォーリー誕生のきっかけだったらしいですね。本編もですが、そういう特典映像も大満足でした。いやあDVDやブルーレイも良いですね!!!

どんな映画?

上でも書きましたが、人類が宇宙に避難して荒廃しきった地球で、黙々とゴミを圧縮し続ける業務をおこなうロボ、ウォーリーのお話です。地球から人がいなくなってからまる700年が経過しています。ウォーリーは自身の身体が開閉するように出来ていて、様々なゴミをちりとりの要領で体内に入れ、圧縮、立方体にして吐き出す。という作業のために作られたロボットで、人間がいなくなってもひたすらそれをし続けています。

そのうちに自我のようなものが芽生え、自分の感性でゴミなのかそうでないのかを決めて、シェルターに保管しています。その中には私達が気味悪がったり、いらないものが多いです。ロボットですからね。

ですがカセットテープがあったり、これもSF作品をオマージュした電子液晶があったりもします。そこでハロー・ドーリーというミュージカル作品を繰り返し再生。友達や恋人とのつながりを切望しています。

この書き方だと無機質ですね。誰かと手を繋ぐことを夢見るんです。超かわいい。まあロボなんで無機質でもいいんですけどね。そして一人で淡々と生きているんですよ。寂しさも感じながら、ペットであるゴキブリ(人間が絶滅しても生き残ると言われている)と生活しています。

まるでコロナ自粛をする一人暮らし童貞です。なのでこれに当てはまる人はあまり見ないほうがいいかと。ウォーリーの場合そらから美少女ロボがやって来るんですが、現実のあなたのもとにはやって来ません。厳しいことを言うようですが、目をそらすことがないように。

 

という感じで、地球に何らかの調査をしにやってきたロボットと交流をしていきます。いわば「ロボットラブ・ロマンス」映画です。設定がまず天才的。

アンドリュースタントン監督も言っていましたが、友達と「地球に残されたロボが、プログラムを解除することも出来なくて、永遠に働き続けているっていう話しどう?」ってなって「じゃあゴミロボがいいね。底辺感でるし」とか「人間はどうしてることにする?」とかどんどん決まっていったそう。

この映画には環境問題のような大きなテーマがあるように思いましたが、監督いわくなんの問題提起も政治的知見もはいっていない純粋なSFアニメとして作りたいから作ったそうです。いやあかっこいいですよね。

ものづくりって多分こうで、さつきとメイは実は死んでてトトロは死神なんだとかそういうのは邪推でしか無いですよねきっと。それはものづくりじゃなくて消費行動にしか過ぎないということだと思います。

まとめると、寂しいロボットの繋がりを求めていく健気な姿勢をみつつ、700年後の人類達はどこにいったのか、何してんのかを見ていく映画です。超面白いです。

好きなシーン

たくさんありますが、ウォーリーの日常を描写するシーン。非常に細かい。繊細すぎます。彼がどんな生活を送っていて、何を思っているのかを可愛く、丁寧に、コミカルに描写していきます。美しい!!

まず冒頭のシークエンスの見せ方が好きです。ウォーリーがヨッシーみたいにポンポンポンポン、ゴミの立方体を吐き出してそれを運び、積み木のように積み重ねていくシーンがあるんですがビルよりも高い巨大なゴミの塔になっているんです。しかも無数に存在している。

たった2カット程度でウォーリーが積み重ねてきた”時間”が表現されているんですよね。痺れました。そこからぐっとウォーリーに感情移入できる。こんな長い間一人で一体どれだけ働いたんだウォーリー、しかもこんなに無邪気で楽しそうで可愛いなんて・・・ってなっちゃうんですよね。

そして日常シーンになりますが、ウォーリーは太陽光発電システム搭載型なので基本半永久的に動けます。ウォーリーは夜四角くなって寝るんですが、太陽エネルギーが切れるとアラームがなるんですよ。そしたら起きて朝日を浴びに行くんですよね。そこの人間感が可愛すぎます。フラフラの寝起きで起きて脱いでたキャタピラを探したり、シャッターの開閉ボタンを押しそこねたり。まるで人間が朝起きて、電気つけたり、ズボンはいたりするみたいで可愛いです。それで屋上にいって朝日をたんまり浴びるんですよ。

ロボットでさえ朝日を浴びで気持ちのいい生活をしているというのに俺たちは何してんでしょうかね。マジで。

そしてもう一つ好きなとこなんですが。やっぱり人間たちでしょう。

大気汚染により太陽光も届かず、ガス的なやつでもう生きていけなくなり、いったん宇宙に避難して、地球の自然治癒力に頼ろうという目的なのです。実はね。それをしているうちに巨大な宇宙船の中で700年過ごしている。その間にたくさん世代交代をしていて、今の人間たちからは想像もつかないような姿になっています。当時はね。

今見るとこれ割とガチだなと思います。みんなバーチャル空間をメインに生活しており、目も退化していて顔の前のモニター意外は殆ど見えない。骨も収縮し、自分で歩いたりせず、ホバーチェアに乗ったまま生活をします。想像できますよね。

そういう人間たちのようすも非常に面白いんですが、船の艦長が大好きです。なぜなら彼はキーパーソンだから!艦長はオートパイロットのHALっぽいやつと一緒に船を運転しています。リストにもHALと書いていますが、これは2001年宇宙の旅のAIパイロットをオマージュしています。あの「ツァラトゥストラはかくかたりき」も流れます。このオマージュに関してはオーディオ・コメンタリーでも語られていて面白かったです。

その艦長が人類のやるべきことに気づくシーンが好きですね。それでオートパイロットと対立することを決心する、とってもかっこいいです。是非見てね。

まとめ

もっとたくさんありますが、それは他人の目を気にしてのことなので不毛なのでやめます。

監督の話が非常に面白かった。本編を98分見た後に、もう一度98分お話してくれて若干ありがた迷惑感もあったんですがね。

この映画は殆どセリフがありません。なのでサイレント映画のような作りになっています。ほぼね。ちゃんと喋るけど。なので細部にとても拘ったそうです。ウォーリーの行動や、物、光の当て方まで、セリフが無くてもしっかり視覚で表現しきれるように細かく演出したと発言していました。音楽も非常に大事にしていて音楽なしではこの映画は語れないと言っておりました。たくさん昔の名作たちから引用した音楽になっていて一曲一曲、意味も含め紹介してくれました。2001年宇宙船の旅の音楽はしらけるかもと思ったけど、テスト上映で歓声が上がったので、「使用料でもなんでも払ってやる」と思ったそうです。立ち上がった観客もいたそう。

そしてチャップリンバスター・キートンの映画は全てを鑑賞したそうです。あそこまで無声で表現し切るにはどうすればいいのか、沢山ヒントをもらったそう。それはウォーリーのキャラ設定にも影響していて、ウォーリーにしか無い機能をいくつかつけることによって、キートンの身体性みたいな、作中で稀有な存在になるようにしたそう。無限に面白いことを言っていました。

母親も見てて、出た会話で「こういうものを作る人は地球外生命体てきな何かからメッセージ的な何かを受け取ってるのでは?」というものがありましたが、遡ればそうかも知れません。キリストとかいろいろね。

でも同じ時代を生きる人間だとそうじゃないです。シンプルにたくさん見て、たくさん調べて、沢山リスペクトができる人しかこういうものは作れません。これがわかっただけでもウォーリーを見てよかったです。

そしてアンドリュースタントン監督は「映画は完結するもの」と言っていて、宇宙船が旅立つ冒頭のシーンから、「さらに壮大なノアの方舟のような演出で、絶対に地球に帰ってきますよ。と約束していたつもり」と語っていました。こんなにも自由で自分のおもしろいを追求していたんですね。説教じみた、問題提起はやはり存在しないんですね。私が以前に映画を分類分けしたのも、たんなる見る側の邪推のような気がしています。

超面白かったし、超勉強にもなったハイクオリティな時間を過ごせました。やはりこの生活やめられない。